編集後記

 
  3月決算会社の繁忙期も一段落し、後は有価証券報告書のチェックおよび株主総会待ち、というところでしょうか。会員の方々も一息ついていらっしゃることでしょう。今年はUFJ銀行の名前が新聞紙上を騒がしましたが、景気が少し回復し、株価も比較的高めに安定し、例年になく好業績のためでしょうか、ここ数年と比べ落ち着いた決算を迎えられたと思います。減損会計という新しい会計基準を早期適用する会社もありましたが、特に新聞紙上を騒がせることもありませんでした。もっとも、早期適用する会社は業績に自信のある会社でしょうから特に問題もないのでしょう。
 平成16年4月に役員選挙が行なわれ、7月の日本公認会計士協会定時総会後に奥山章雄会長から藤沼亜起新会長へとバトンが移され、新しい執行部が発足します。藤沼新会長は前IFAC会長で国際派の会計士ですが、時期的には大変な時に会長になられたと思います。日本企業が欧州で資金調達しようとする際に、国際会計基準(IAS)に準拠しなければならないかで日本の会計・監査が信頼されているかが試される2005年問題。公認会計士法が改正され、従来適用していた公認会計士協会制定の標準報酬規程制度が廃止されたことに伴い、報酬の自由化が行なわれますが、欧米並みの監査時間、監査報酬が得られるのか、それとも安値競争に突入するのか(もう既に、新規業務獲得のために安値競争に入っているように思われますが)。従来の業務に加え、日本公認会計士協会による品質管理レビューのモニタリング等の業務を行なう公認会計士・監査審査会が4月1日から金融庁に設置されましたが、協会の品質管理レビューが有効に行なわれていると認められるのか、それとも協会、監査法人、被監査会社等にも立入検査が行われるのか。会計士補の就職問題も早期に解決すべき問題です。昨年度もそうですが、今年度は昨年以上に就職難と想像されます。期待して公認会計士業界に入ってきた者たちに入り口で締め出すことになり、優秀な人材が集まらなくなります。これらの諸問題に対して、藤沼新会長および新執行部の活躍が期待されます。

(会報部長 市田 龍)