「トップインタビュー」  第3弾
 近畿会では、関西の我々とかかわる業界との相互理解を深め、協力可能な施策について関係機関との連携を図るための方法のひとつとして、各関係機関のトップに佐伯会長がインタビューをするという形式で意見交換を実施しております。第3回は日本弁理士会近畿支部との座談会を実施しました。

(会報部長 林 紀美代)

 
 

特集

日本弁理士会近畿支部長との座談会

日 時 平成17年8月3日(水)
出席者 日本弁理士会近畿支部
    本庄 武男 (支部長)
    吉田 博由 (副支部長)
    川嶋 正章 (バイオサポート委員会委員長)
  日本公認会計士協会近畿会
    佐伯  剛 (会長)
    藤原 祥孝 (副会長)
    和田 頼知 (副会長)
    松本  学 (経営委員会委員長)
    松本  要 (会報部副部長:文責)
   
(和田) 本日は、日本弁理士会近畿支部長との座談会を開催させていただくことになりました。日本弁理士会近畿支部の皆様、ご多忙中にもかかわらずご出席いただき誠に有難うございます。
 

日本弁理士会と日本公認会計士協会の協力合意
 
(佐伯) まず日本弁理士会と日本公認会計士協会が平成17年6月23日にプレス発表した協力合意について簡単にお話ししてから、本日の座談会に入りたいと思います。その合意内容は「知的財産の価値評価及び情報開示などの領域で相互交流を図り、知的財産創造立国の実現に向け社会貢献を果たす」もので、今後、人的協力・研修会・地域での協力をすることについて両会が合意し公表しております。
 具体的には、会計士協会本部の「知的財産専門部会」と「紛争処理会計専門部会」の二つの専門部会があるのですが、この二つの専門部会に日本弁理士会からオブザーバーを派遣していただき、専門分野についてアドバイスをいただくことにしております。参考までに各部会の検討テーマをお話ししますと、「知的財産専門部会」では、知財の情報を利害関係者、債権者、株主、行政に対して開示することで企業の価値を高めるような仕組みを作ろうと考えており、経済産業省が検討している「知的資産経営報告書のガイドライン案」を視野に入れて、学者を交えた検討をしております。
 また、「紛争処理会計専門部会」では、2年ほど前に特許権に限定して作成した計算鑑定人マニュアルを、今回は特許権以外の商標権や著作権にも広げる作業をしています。それがもうすぐ完成しますので今後のテーマとして、知財関連の訴訟をどのように解決するかという議論を予定しています。例えば日本では困ったことに知的財産の訴訟において、知的財産の評価額が数百億円から数千万円に下落したり、それがどういうデータをもとにしてどういうロジックで算定されたのかという議論が十分行なわれていません。この点について日本弁理士会でも同様の問題意識をお持ちですので両会で協力することにしております。近畿ではそれを先取りしバイオサポーターズ三会協議会で既に弁理士さんと会計士の連携を実施しており、そういう先鞭をつけたのは近畿だという経緯があるわけです。
 こういう両会での協力合意の動きがあるという前提に、今回は、近畿地区で我々二つの会がどういう活動をしていくべきかという議論をさせて頂ければと思います。
 
日本弁理士会近畿支部の概要
 
(佐伯) 前置きが長くなりましたが、はじめに、日本弁理士会の組織の概要と、日本弁理士会近畿支部の組織の概要、加入会員数、役員構成、任期などについてお聞かせください。
(本庄) お手元の資料に、弁理士会の全体の人数と近畿支部の人数が、6月現在で書いてあります。
(注:配布資料から抜粋した会員数は以下の通り:
  近畿支部の会員数(平成17年6月現在)
1,256名(全国 6,179名)(大阪府 1,006名、京都府 87名、兵庫県 113名、滋賀県 26名、奈良県 21名、和歌山県 3名))
   人数的には非常に少ないのですが、支部ができたのは近畿が最初で、20年前のことです。もともと完全な単一組織だったのですが、どうしても必要だということで、人数がそこそこそろったところからスタートして支部が出来上がったのです。東海支部は8年前にようやく出来ました。東京支部はなぜ作らないのかという疑問がきっとあると思うのですが、「東京は組織があるのになぜその下にまた作らなければいけないのだ」という議論をいまだにしています。
(佐伯) 会計士協会も同じ単一会なのですが、東京には本部と東京会があり、本部と地域の活動を明確に区分した組織となっています。
(本庄) 東京には当然東京会があったほうがいいという話を逆に我々に教えていただくと刺激になると思います。
(佐伯) 本部機能と地域会機能を区分することで、会務活動が効率的かつ機動的に実行できると思います。例えば、東京地裁や東京弁護士会と組んで活動する主体は同一地域会として活動するのが自然ですし、同様に産官学との連携をスムーズに行なうにも、地域組織を持たないと本部機能と地域機能を区分しておかないと混線して利害関係が生じる可能性があります。
(本庄) その点については、今後よく検討していきたいと思います。次に近畿支部の役員ですが、支部長1名、副支部長6名、幹事20名、監査役5名です。これらの役員の任期は4月1日から1年間です。
(佐伯) 弁理士会の支部は、近畿支部、東海支部と九州支部だけなのですか。
(本庄) はい。それから、年内に北海道支部ができるといわれています。
(佐伯) 弁理士さんの職域からすると、会員が特定の地域に集中する傾向が強いと言うことでしょうか。
(本庄) そうだと思います。相手は企業がほとんどですので。
 
 
近畿地域の特性
 
(佐伯) 次に近畿地域に話しを移しますが、3年前から私どもと近畿の弁理士さんと連携で一つの成果をあげられた背景には、関西でバイオの地域としての優位性があり、適度な規模で集まって行政や大学とのパイプが出来ていたからだと思います。東京では大き過ぎて出来ないけれども、地方の「強み」を近畿で発揮できたという印象をもっております。
(本庄) バイオの場合はどちらかというと関西主導の業界でもありますし、当然、人材も集まっていて、意識も高いのかと思います。
(佐伯) 近畿の弁理士さんから見てバイオ以外のITはどうですか。
(本庄) ITについては、弁理士の人数としては、ソフトウエアでは近畿のほうが水準が高いと思います。
 日本弁理士会にソフトウエア委員会というのがありまして、近年までずっと近畿の方が委員長を務めています。
(和田) 弁理士さんは、IT、バイオ、その他の何々と大体専門に色分けされるものなのですか。
(本庄) 実際には弁理士の得意分野ということでの色分けがされていますね。しかし、表立って公表はあまりしていません。
(和田) そうすると、例えば、弁理士さんどうしでチームを組んで企業と契約したり、自分の専門でない仕事が来たらだれかと一緒にやったりということをされるのですか。
(本庄) そうですね、他の方に紹介したりします。
(佐伯) これまでバイオサポーターズ三会協議会が順調に活動している要因の一つに、特定の専門業種に絞り込んだことであると思います。専門の業種に特化した人たちがサポーターとして集まる仕組みにしなければ、機能しないと思いますがいかがでしょうか。
(本庄) やはりターゲットがきちんと絞られていて方向性が明確だと、参加しやすい。そういうお膳立てがきちっとできている場合に成功しているのではないでしょうか。公認会計士さんの場合、経営的あるいは財務的という点では非常に広いことをやっておられると思いますが、その中の知財、またその中のバイオにどんどん特化していく、しかもそこに利益が絡んでくると、成功する可能性があります。
 職務発明の問題もそうだし、知財専門家の問題もそうですが、つまるところこれは知財の評価の問題ですから、この点については今後もいろいろな点でたくさん協力しあっていけることがあるのではないかと思います。ですから、そういう形である程度絞り込みながらやっていったほうがいいと思っています。我々も非常に多忙な中でやっていますので、費用対効果の検討を行って、かなり絞り込みながら成功率を高めていきたいと考えています。
 
会員数の動向と品質管理
 
(佐伯) 今の話とも絡むのですが、次に勤務体系についてお尋ねします。会計士の場合、全国レベルで3,000名規模の大手監査法人が四つありまして、そこに就職して監査を中心にやる会員と、個人で事務所を構えて税務やコンサルティングをやる会員、それから今後増えてくると思われるのは、会計士の資格を持って企業の中で活動する会員、そういう三つのタイプに区分けされるのですが、弁理士さんの場合、どうですか。
(本庄) 弁理士の場合、36%が特許事務所経営者、34%が特許事務所勤務の方です。したがって、自分で経営しているか、あるいは勤務している方々で70%に達するという状態です。それに特許事務所共同経営、パートナー的な方12%も含めると、82%になります。あと、会社勤務の方が13%いらっしゃいます。公認会計士さんも会社勤務の方が増えてくるかもしれないと言われましたが、弁理士は現段階としてこのぐらいの割合です。
 それから弁理士が今後希望され、期待される職種かどうかという分析は、非常に難しいです。なぜかというと、基本的には弁理士試験の合格者の数はコントロールされているからです。弁理士会そのものが経済産業省の監督下にあって、合格者の数も経済産業省が決める形になっています。4、5年前までは毎年全国で80〜90名体制でずっときていたのですが、ここへきて100名ずつ増やしてきていて、昨年で600名になっています。
 この5年間で数倍に増えたことで品質管理も大変な状況で、合格者の数を強制的に増やしているものですから、中身が伴っているかは定かではありません。ただし、それだけ合格者数が増えれば受験者数も増えるという形で、もとは4.9%ぐらいの合格率だったものが、今は7.1%ぐらいになっています。ですから、受験者も増え、かつ、合格者も増えているという形です。
(佐伯) 我々会計士も似た傾向でして、会計士法の改正があったときに、会計士5万人体制が話題となりました。会員数の増加は必然的に専門家としての品質管理の問題が出てきます。ですから、我々はCPEの制度を導入して品質の確保を図っています。
(和田) 弁理士さんの場合、受験生は理科系の方なのですか、文科系の方なのですか。
(吉田) 8割は理科系です。
(和田) やはり技術が分からないと実際の弁理士業務は難しいということですね。
(吉田) 商標などもありますから、それは文科系の方のほうが強いかと思いますが。
(和田) 企業の特許を扱うということは、企業秘密そのものを扱うということですよね。物凄い守秘義務を負っていらっしゃって、例えば、ソニーの仕事をされている方は、松下から依頼があっても当然断ると思うのですが、そのとき、「私は松下をやっています」ということを公表しないと、「この弁理士に頼んだらうちの情報が向こうへ流れるのではないか」ということで、どんな方と契約されているのかは企業としては非常に知りたいところだと思うのですが、そのあたりはどのようにされているのですか。
(本庄) 基本的には、だれがどういう企業をやっているかというのは、弁理士が代理した特許の出願についてはすべて特許庁から公報が出ますので、だれでも調べられます。しかも、検索サイトが非常にしっかりしていますので、キーワードに弁理士名を入れて検索すればどの弁理士がどういう分野のどの企業の出願を代理しているかは全部見ることが出来ます。
(和田) ただ、今は鉄道会社が鉄道以外の事業を行ったり、たばこ会社が医薬品の事業を行ったりと、企業がいろいろなことをしています。そうすると、知らず知らずのうちに競合するような場面が出てくるような悩みはあるのでしょうか。
(吉田) 確かに社会の変遷の中ではそういうことも起きますが、例えば、松下さんだったら半導体関係だけとか、テレビや液晶関係はシャープさんだけとか、事務所は大体そういうふうにクライアントごとに部門を限って競合が起きないようにしています。
 
国際事案への対応
 
(和田) もう一つお聞きしたいのですが、海外での紛争が当然出てくると思うのですが、裁判管轄が日本ではない、アメリカで特許紛争があるというとき、その特許の有効性を主張するために、向こうの裁判に代理人として出るようなことはあるのですか。
(本庄) 代理人としては出ないでしょう。日本で出願する場合は、日本の弁理士でないとできないですね。アメリカの弁理士が直接日本に出願することはできないのです。アメリカも同じで、アメリカの代理人を使わなければいけないのです。
(和田) 海外、世界中で特許を取りましょうといったとき、それぞれの国の代理人を通して取るわけですか。その代理人は海外では大抵、弁護士事務所になるわけですか。
(本庄) そうです。国によりますが、例えば米国では弁護士です。弁護士資格があってそのうえに理工系大学を卒業した人を特許弁護士と称し、この資格を持っている人を通して我々は米国への出願を行います。
(佐伯) 最近アジアでは、コピー商品などの動きがありますよね。特に関西には中国等からコピー商品がたくさん入ってきている状態ですが、弁理士会としてこういう問題はどう処理しようと考えておられるのですか。
(本庄) 向こうにもそれなりの支部的組織があるのです。上海には上海の、北京には北京の組織がありますので、そういうところとの交流という形でやっていこうかと思っています。今までそういうことはやったことがなかったのですが、やはり中国でこの種の問題が出てきますと、日本の立場も主張していかないといけないので、今年は上海へ行こうかと計画を立てているところです。
(佐伯) まさに中国は、あと2、3年もしたら物凄い力を持ってくるでしょうし、もうすでに関西、日本の輸出量はアメリカを抜いています。今後もアジアとの経済関係で取引が頻繁になると考えられますから、必ず利害関係のトラブルが起こると思います。そうなると当然、弁理士、弁護士、会計士には、事前にこれらトラブルを防御し、事後的にこれらトラブル処理する業務ニーズが出てくると思います。我々も上海会計士協会との友好契約を結び、人的関係を築こうと考えています。弁理士会はいつごろになるのですか。
(本庄) 来年か再来年になるでしょうね。
(佐伯) 大阪弁護士会も、アジア、中国での法的な問題については問題意識をもっておられ、何か会計士との連携できればと考えておられるようです。
(吉田) 韓国には大韓弁理士会というのがありますが、そこは日本弁理士会と毎年交流しているのです。ただ、それはトップどうしの交流で、地域会ではやっていないのです。だから、我々がやるとすれば直接ソウルとやろうかと思っています。
 
会務の運営方針
 
(佐伯) それでは次に、この1年間の活動方針についてお伺いします。
(本庄) 日本弁理士会近畿支部の平成17年度事業計画概要は、私どものホームページにも掲載されていますが、基本的には「外部からの期待に応える」、つまり社会貢献といったことが第一になります。
 それから、先ほども申し上げたとおり、会員数が激増していますので、これをどうすればいいかというのは大変な問題でこれへの対応が重要な課題と考えています。
(佐伯) 合格者数が国の政策に左右されるのは会計士も同様です。先程、少し話題になりましたが、急激に会員が増えていることへの対応はどうお考えですか。
(本庄) 我々は一生懸命社会貢献活動をしているけれども、あまり広報をやっていないから認知されていない、つまり評価されていない。もっともっと評価されるべきだということで広報活動を充実させようと考えています。また支部の政策については国際活動をもっと頑張ろうとか、支部自身がいろいろな政策を持とうと考えています。
 「弁理士への外部からの期待に応える」というところで、弁理士がどれだけ活動できるかという面で、各府県に弁理士の担当者を置くというような制度を作って、いろいろな窓口業務をして貰います。今までそれぞれの事務所で個人的にやっていたことをもっと公に我々のほうで知らしめて、外部からの期待に応えるという方向でやろうとしています。
 会員数の激増については、人数ばかり増えてビジネスが増えていない。我々がビジネスを作ることはなかなかできないし、ビジネスを紹介するようなことは公的にはできませんから、我々としては会員がビジネスに辿り着けるようなインフラを整備しようと考えています。例えば、研究を重ねてクライアントの要望に応えられるような会員を養成しよう、研究活動についてもっと支部が協力しよう、あるいは、研究の成果を公表する人を募ってその成果を公表し、この支部にはこんな弁理士がいるということを外部にもっと知らせることをやろうとしています。具体的にはインフラとして、ホームページを充実させ、会員の研究成果をホームページに掲載するといった形で、インフラ整備をすることで会員の激増に対応していくことにしています。
 広報活動としては、例えば記者懇談会をやるとか、要人に接触するといったことを今年はやっていこうかと思っています。
 ただ、記者懇談会は、やはり非常に難しい面がありますね。公認会計士さんのようにある程度それぞれの地域が独立している場合は良いのですが、我々支部は規則上、東京にある本部の下部組織になっていますので、本部の考え方に反することを言う危険性を考えると、かなり口にきついチャックをはめながらしゃべるというところがあります。例えば、政策的なことや新しい問題点等に対する見解を支部として述べるのが非常に難しいのです。
 しかしながら、記者さんが欲しいのは、やはりITなどのレベルの高い事項に関する情報で、そういうものについて我々はよく知っているわけです。記者の皆さんがレベルアップしたい、勉強したい、教えてほしいというときにはたくさんの方が集まってきて、共同で話をしてもとても喜んでもらえます。そういう、どちらかと言うと勉強会のような形での使い方を我々はやろうと思っています。
 
行政との連携
 
(佐伯) お話にありました社会からの期待にどう応えるかですが、今年、近畿経済産業局が立ち上げた「近畿知財戦略本部」に弁理士、弁護士、会計士がメンバーとして入っています。行政との係りについてお話をお願いします。
(本庄) 具体的には、経産局は中小企業支援ということで専門家派遣をやっていますね。知的財産に関する専門家、これには公認会計士さんは絡んでいませんのでご存じないかもしれませんが、基本的に年10社を公募して専門家を派遣する。それで何を支援するかというと、最終的には各社の持っている知的財産に関する知的財産報告書を作成するところまで支援しましょうということになっています。
(佐伯) それは前からやっておられたのですか。
(本庄) 経済産業局としては去年からです。中小企業の知財に強い方が派遣されるわけですが、それに対して我々は知財の唯一の専門家として支援をしましょうということです。つまり、専門家として、あるいは専門家を補佐するサポーターとしてお手伝いしましょうということです。そういう形での経産局への支援を、今年は具体的に進めようとしています。
(佐伯) 弁理士会支部としてサポーターを会員の中から推薦するのですか。
(本庄) 支部として推薦したり、個別の会社を支援したりはできませんから、経産局が支部を介して「サポートをしてくれる弁理士さんはいませんか」という公募をして、できる方がやる。だから、ライバルにならない会社をやっている、あるいは全くやっていない方が応募されるでしょう。
(藤原) 近畿支部は募集するだけで、実質、応募されてきた人を選ぶのは経産局ですか。
(本庄) 専門家を必要とする各企業だと思います。
 
今後の二会の連携
 
(佐伯) 最後にバイオサポーターズ三会協議会を含めた両会の今後について伺いたいと思います。三士業で「勉強会」を継続して進めていますが、実際のシーズを使ったビジネスモデル事例を取扱いたいと考える会員が多いのですが、これには解決すべき複数の課題があり、その中で大きいのが守秘義務、報酬、会員利害の調整です。現在、「関西バイオビジネス研究会」と言う任意組織に各三会から世話人を出し、「勉強会」OBを集めて実際のシーズ事例研修会を行っており、第1回目の発表を全国イベントのバイオジャパン2005で9月9日に行います。第2回目の事例研修もこの10月から実施される予定です。今後の進め方についてお話を伺えればと思います。
〔補足:この座談会は平成17年8月3日に行なわれました。〕
(本庄) 二つほど問題があるかなと思うのですが、一つは、バイオが何とか軌道に乗ってきたのは、絞り込みがあってターゲットがよく分かる形になっている、しかも、そこに利益があるというのが非常にうまく行った理由で、そういう形の活動でないとうまくいかないのではないかと言う点。もう一つは、お金が絡んでくる問題だということです。弁理士会は非営利の団体なので、三士業でやる場合は第三者の団体を経由したほうが、円滑にいくような気がします。
 三士業の活動を継続するために、例えばNPOを作ってそちらにお金の流れを作るといった手法が必要と思いますが、その手法などについては、やはり会計士さんのほうが詳しいので、経営的なことは教えていただきながらやらないと出来ない。ただ、技術的なことは我々が提供することになると思いますが。
(佐伯) これまでバイオに限定した連携でしたが、最初の話でITやバイオは関西が強いので、当然バイオは継続するけれども、今後、バイオを超えて事業展開することについてはどう思われますか。
(本庄) 私はどちらかというと非常に積極的なほうで、是非やりたいなと思います。次はITかなという感じです。
(佐伯) では、バイオと並行してIT関連ベンチャー支援をお考えですか。
(本庄) ITの中でもソフトウエアやコンテンツのを扱う方向が関西に向いているのではないかと気がします。そして最初の立ち上げはやはりベンチャーがいいのではないかと思います。
(川嶋) 近畿支部のバイオサポート委員会は、ベンチャー育成を支援する人材を養成するというのがいちばん大きな柱で、あとはその手法を確立することです。人材の育成という意味で今、いちばんネックになっているのが、支援する側はけっこう整ってきているのですが、実際に経営者がいないということです。
 京大では、講座があって、若い学生がどんどん会計士がやっているようなことをやってみて、彼らには会計士のような専門的な知識はないものの、経営者を養成する雰囲気を作っています。まず会計士協会と弁理士会、弁護士会もですが、ある程度講師料のようなものを取って、講師を派遣することができればいいかなという気がしています。
(和田) 予定した時間となりました。本日は、関西経済の発展に重責を担っておられる日本弁理士会近畿支部の支部長さんをはじめ幹部の方々から大変有益なご意見を伺うことが出来ました。今回の座談会の内容を踏まえて、我々の二会と弁護士会を含めた三士業会が協力してベンチャー企業の支援等、関西経済を活性化させる手段を考えて参りたいと思います。日本弁理士会近畿支部の皆様、本日は有難うございました。