年頭所感

 

金融庁総務企画局 企業開示課長 池田 唯一

 
 新年明けましておめでとうございます。
「貯蓄から投資へ」との大きな流れの中で、市場の公平性・透明性の確保に対する投資者等からの要請は格段に強まっています。これを受けて、公認会計士監査に対する関心や社会的な期待も急速に高まってきているところであります。
 こうした中、昨今、公認会計士監査を巡る非違事例等がたびたび明らかとなっているところであります。
 これらは、平成15年の改正公認会計士法施行前の事例ではあるものの、監査の信頼性を揺るがしかねない状況が生じているとの認識の下に、金融庁では、さる10月25日、4大監査法人に対する早急な検査等の実施や、ローテーションルールの強化等を内容とする「適正なディスクロージャーと厳正な会計監査の確保に向けた対応策」をとりまとめ公表しました。
 また、この対応策を受けて、金融庁の企業会計審議会では、さる10月28日に監査に関する品質管理基準をとりまとめ公表しました。監査法人等においては、今後本年3月までの間に本基準に準拠した品質管理体制の整備を行っていただくこととなっております。
 金融庁としては、日本公認会計士協会等の御協力を得て、これらの方策を強力に推進していきたいと考えており、関係各位のご尽力を期待するところであります。
 次に、会計基準等をめぐっては、国際的な動向を踏まえた対応がますます重要となってきております。
 我が国の会計基準設定団体である企業会計基準委員会(ASBJ)と国際会計基準を設定している国際会計基準審議会(IASB)は、昨年3月以降、会計基準のコンバージェンス(収斂)に向けた共同プロジェクトを進めているところであります。
 また、米国との間でも、日米両国の会計基準設定主体の間での定期協議の開催に向けて調整が行われているものと承知しております。
 金融庁としては、コンバージェンスに向けて、こうした関係者の取組みを積極的に支援していきたいと考えております。
 さらに、ディスクロージャー制度の整備も引き続き重要な課題となっています。
 去る12月22日には、金融審議会第一部会報告がとりまとめられ、そこにおいては、四半期開示制度の導入や財務報告に係る内部統制の経営者による評価と公認会計士等による監査の義務化等についての提言がなされております。
 これに併せ、四半期財務諸表に係る監査証明業務としての四半期レビューの導入や、財務報告に係る内部統制の評価及び公認会計士等による監査に関する基準や実務上の指針等のあり方についても引き続き検討が進められることとなります。これらは公認会計士業務と深い関係を有するものであり、引き続き関係各位による積極的な御貢献をいただきますことを期待するものであります。
 また、証券市場の効率性を高めていくためには、企業が作成した財務情報が投資者に迅速に伝達され、かつ投資者がその財務情報を迅速に分析し、意志決定できることが重要となります。
 こうしたことから、金融庁ではEDINETの機能充実、特にEDINETのXBRL化に向けた動きを加速することを重要な課題と位置づけ、平成20年度からEDINETにXBRLを段階的に導入することを目指し、その実現に向けて努力しているところであります。
 我が国の公認会計士制度は、今、大きな節目のときにあります。金融庁としては、国際的な動向も踏まえつつ、公認会計士監査の信頼性の向上を図ってまいりたいと考えており、会員の皆様のプロフェッショナリズムの強力な発揮に期待するとともに、一層のご理解ご協力をお願い致します。
 末筆になりましたが、近畿会のより一層のご発展と会員の皆様のご健勝とご活躍を心よりお祈りして年頭のご挨拶と致します。