特集

公認会計士からみたアカウンティングスクール

雑  感

藤井 留美

 
 2年前にアカウンティングスクールが全国で設置されるようになり、昨年も数校が立ち上がりました。関西大学でも本年アカウンティングスクールが開講し、私も新米の教員として教壇に立っています。4月からなので、まだ3回しか授業を行っておらず、まだまだアカウンティングスクールについて書けるほどの知識も経験もありませんが、現況をお話させていただこうと思います。
 
1. アカウンティングスクールについて
 関西大学のアカウンティングスクールの正式名称は、「関西大学大学院会計研究科会計人養成専攻(専門職学位課程)」という長い名前です。2年間の修業後、会計修士(専門職)の学位が授与されます。似たような大学院にロースクールがありますが、ロースクールとアカウンティングスクールの大きな相違点は、前者の場合、その卒業が司法試験受験資格となっているのに対し、後者の場合は、公認会計士試験の短答式試験の一部科目免除となっているだけだということです。
 
2. 授業について
 関西大学アカウンティングスクールは昼間開講で、定員は70名です。授業は講義やディスカッション、ゼミ形式など、様々な形式のものがあります。私が担当しているのは、1年次の「監査基準」「上級税務会計論」「監査事例研究」の3つです。「監査基準」は基礎科目(必修科目)なので、他の科目に比べすこし負担が重いものになっています。
 
3. 教員について
 アカウンティングスクールには、研究者教員の他、実務家教員が数名います。私のように監査法人に勤務している者や、一般企業に勤務している人が実務家教員で、文部科学省の規定により一定以上の人数が必要とされています。
4. 院生について
 大学を中途退学してアカウンティングスクールに入学した学生や大学終了直後の人のほか、一般企業を退職してきた人、現在も勤務している人など、年齢も経歴も様々な院生がいます。大部分が公認会計士試験受験を目的としていますが、中には、@将来経営者となるための基礎作りとする、A学者になるため、B現在の仕事に生かすため、などの目的のために通っている人もいます。
 授業には総じて皆さんまじめで、遅刻者は見当たりません。(正直申し上げると若干名だけいますが・・・)私語もなく、昔の大学の授業風景や雰囲気とはかなり違います。ただ、最近の風潮なのか、受け身の感じがします。
 
5. アカウンティングスクールの未来
 アカウンティングスクールは会計の職業専門家を養成するのが目的であり、必ずしも公認会計士試験合格だけが目標ではありません。しかしながら、大部分の院生が会計士試験を目指しているのが現実であり、アカウンティングスクールもその要望に沿った対応が求められます。試験合格を目的とした授業と広範な知識や考える力を培うことを目標とする授業との矛盾をどのように解消し、院生のニーズとアカウンティングスクール固有の使命との整合性をどのように図っていくのか、それが今後の課題であると思います。
 
 日本にアカウンティングスクールが設置されて2年余、その成果が顕在化するにはもう少し時間を要します。専門的能力の開発と広い視野を持つ実務家の育成が行われ、卒業生が会計士業界のみならず各界で活躍するような、そのようなアカウンティングスクールが期待されますし、また、そのようなアカウンティングスクールにしなければならないと思います。