本部委員だより

継続的専門研修制度協議会報告

 

継続的専門研修協議会委員 辻 内  章

 
 2005年6月より継続的専門研修制度協議会のメンバーとして参加しています。この協議会は、CPE研修制度に関する様々な事項が議論・決定されているCPE研修制度運営の核となる会議体で、ほぼ月1回の頻度で開催され、遠藤常務理事の主導で活発な議論が行われています。
 
 CPE研修制度は、当初は会員の能力向上を目指して任意の制度としてスタートし、その後、公認会計士協会の自主規制として義務化になり、2004年4月からは公認会計士法の改正をうけ、公認会計士法の規定に基づいた研修制度となりました。
 CPE研修制度の発足当初は様々な議論があり、当時にCPE研修を担当された協会関係者は大変なご苦労をされたと推察します。会計士たるもの勉強するのは当たり前で、それを規則とか法律で義務化するのはとんでもない話、という意見がかなりあったように聞いています。ごもっともなご意見で、会計士たるもの確かにそうあるべきで、研修を受けたからといって能力が向上するわけではありません。しかし、そうは言っても、監査の品質に対する要求が非常に厳しくなっており、また、欧米諸国が研修を義務付けている状況では、CPE研修を制度化し義務付けることが不可避であったと思います。
 その後、紆余曲折もありましたが、今日に至り制度としては落ち着きつつあるのではないかと思います。法的義務化初年度の2004年度(2004年4月〜2005年3月)の履修義務達成率は94.0%と、非常に高い水準となり、制度としての目的はほぼ達成された水準ではないかと考えています。近畿会も93.6%とほぼ全国平均水準を達成しています。2005年度については現在集計中ですが、これに近い達成率が見込まれています。ただ、残念ながら、これまでCPE単位を全く取得していない方もおられ、規則に則り、2004年度について3名の方が氏名公表され、その他794名の方が義務不履行として、監査業務の辞退勧告等の措置を受けられました。必ずしも会員全員がCPE研修制度に賛成している訳ではありませんが、公認会計士法で義務付けられている制度であり、日本の監査業界の発展のためにも、是非とも皆さんのご理解をいただきたいと思っています。
 私の属している監査法人では、1人の義務不履行者も出さないよう、度々警告のメッセージを発信し、3月の締切が近づいてくるとやいのやいのと督促して、脅しもかけています。その結果、全員が必要単位数をクリアしました。
 協議会では、免除・軽減申請の審査も行っており、この申請理由を見ていると、人それぞれの事情があり、皆さん苦労して研修を受けているんだなあ、というのがよくわかります。高齢あるいは病気・けがで、自分では申請書も書けない人、出産後、体調が悪く研修が受けられない人等、相当の理由がある方もおられますが、一方で、こじつけの理由を考えて何とかCPEを逃れようと頑張っておられる方もおられます。
 また、自己研修による単位認定の場合、研修内容の要約を200字程度で記載していただくことになっており、その記載内容を協会で抜き取りで調査をしています。ほとんどの方はまじめに書いていただいていますが、残念ながら、中には書籍の目次をそのまま写したものとか、内容とあまり関係のないような記述が散見されています。このあたりは、公認会計士として良識のある対応をお願いしたいと思います。
 会員の中にはいろんな考えをもった方がおられ、処分の対象になったり、免除・軽減申請が却下された場合には協会の事務局に苦情を申し入れる方も多くおられます。事務局の方は日々これらの苦情に対して根気よく対処しておられ、大変なご苦労だと思います。
 
 今後、監査に対する視線が厳しくなることはあってもやさしくなることはありません。監査手続の厳格化とともに監査業務の全体的な管理の強化が求められ、研修についても厳しい対応が求められています。今後は研修内容を更に充実させ、会員の方が単位取得のために仕方なく受ける研修ではなく、自己研鑽のために積極的に参加していただける研修会にしていきたいと考えています。また、監査法人に勤務している方、個人で業務をされている方すべての方にとって参加しやすい方法を考えてきたいと思います。この結果として、履修義務達成率がさらに高まり、100%を達成できるように努力していきたいと考えています。