年頭所感

 
日本公認会計士協会 会長 藤沼 亜起
 
 平成19年を迎え、近畿会の会員・準会員の皆様に謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 早いもので、平成16年7月からスタートした私ども現執行部の任期も、本年度が最終年度の3年目を迎えました。
 昨年は、公認会計士が関係した会計不祥事により、大手監査法人の一部業務停止と関与公認会計士の登録抹消等の金融庁による行政処分が下され、また監査の品質管理体制等については、公認会計士・監査審査会から6月に四大監査法人、11月に小規模事務所について検査結果が公表されました。
 金融庁は今年の通常国会での公認会計士法改正を視野に入れ、監査法人の責任体制のあり方、監査人の独立性強化策等について、金融審議会公認会計士制度部会の活動を再開し、本格的な議論が行われております。
 同部会では、監査法人に刑事罰を課すという、所謂「両罰規定」や「官規制」の強化を求める声がある一方、刑事罰はその端緒が見えただけで監査法人に壊滅的な影響を与える恐れがあるばかりではなく、企業も混乱に巻き込むという協会の主張に理解を示す委員もおります。今後の議論の方向性は予断を許さぬ状況ですが、前向きの制度改革につなげたいと思っております。
 一連の不祥事を受け規制強化論が勢いを増す中で、社会の信頼回復を図るためには、協会は自主規制機関として監査の品質管理を一段と強化する必要があると判断し、社会的に利害関係者が多い上場会社の監査事務所(約250)を対象に「上場会社監査事務所の登録制」を導入し、登録事務所名簿の公開、品質管理上問題があった場合はその事実の公表、更に特に問題があり除名された事務所や登録拒否事務所も未登録事務所名簿に記載するという、厳しい対応をとることにしました。
 このような状況からか、協会の対応が監査中心となっているとの意見を聞きますが、中小事務所等施策調査会の活動など広範な会員のニーズへの対応を忘れているわけではありません。
 また、地域会と本部との連携強化も重要課題であり、本部と地域会の活動の効率化の観点から、地域会会長会議の場で各地域会の活動状況の報告と意見交換をしております。
 一方、執行部の交代期に当たり中期的視野に立った協会のビジョンが必要ではないかという観点から、ビジョン・ペーパーの作成を進めています。
 これは、協会会務の継続性の確保と次期執行部への拘束を避けるため、骨太の内容を考えており「会員の多様化とそのニーズの多様化への対応(部会やネットワークの創設)など」などが挙げられています。近く皆様のコメントを頂戴したいと思っております。
 今年は、公認会計士法の改正、公認会計士に対する信頼の回復のための様々な施策の実施や協会組織・ガバナンス改革の着実な実行など重要課題が山積しておりますので、皆様の更なるお力添えを得て残りの任期に全力を尽くしたいと思っております。
 最後になりましたが、皆様のご健勝と益々のご活躍を祈念し、年頭のご挨拶といたします。