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第41回定期総会報告及び会員の声に出席して |
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副会長 小山 謙司 |
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【はじめに】 | ||||||||||||||||||||||||||
去る平成19年7月4日(木)小雨の降る中、帝国ホテル(東京都千代田区内幸町)本館3階の富士の間にて日本公認会計士協会の第41回定期総会が開催されました。その内容をレポートしたいと思います。なお、文中意見に関する記載は私見であり、また私の聞き漏れ、聞き間違い等により正確性に欠ける記述があるかもしれませんが、素人記者ということでご容赦下さい。なお、公式の総会報告については後日JICPAニュースレターにより行われますので、そちらをご参照頂きますと幸甚であります。 総会の式次第は次の通りです。 |
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【会長挨拶】 | ||||||||||||||||||||||||||
![]() まず、来賓の方のご臨席への御礼に始まり、6月27日に改正公認会計士法が公布されたことを報告されました。続いて会長在任期間中の3年間はわが国の公認会計士にとって制度発足以来の激震の走った、激動の期間であり、その総括を試みたいと述べられ、3年間の主な出来事を振り返って次のように要約されました。 最初に、平成16年秋に大手鉄道会社の有価証券報告書の不適切な開示事例が発覚し、金融庁を始めとした各関係機関から開示情報の信頼性の確保に向けた取り組みが矢継ぎ早に公表され、協会もまた会長声明等を通じて会員各位へ監査の一層の充実をお願いしました。 続いて、平成17年には会社法が公布され、監査基準の改訂、品質管理基準の制定がありましたが、この年の秋には大手化粧品会社の会計不祥事及びそれに関係した公認会計士の逮捕という事件が社会を騒がせました。協会はこのような緊急問題の対応に加え、自己改革に向けた機構整備を行いました。 また、平成18年には年初から大手インターネット事業会社による会計不祥事があり、金融商品取引法が成立し、その最中に大手監査法人への一部業務停止処分が発表されました。 また、公認会計士審査会による大手4監査法人の検査結果等が公表され、平成19年2月には大手監査法人のひとつが解散するとの発表もありました。 |
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監査業務の担い手の減少と言う問題が深刻化し、資本市場への影響が懸念されます。協会はこの3年間終始一貫して公認会計士制度の信頼を回復するためには会計プロフェションである公認会計士が自己規制を図る必要があると考え、それを支援する諸施策を展開してきました。自主規制機能の一層の強化を図り、公認会計士監査の質的向上につながる諸策を講じ、上場会社監査事務所登録制度を創設する等により協会が真に自主規制団体として社会の信頼を集める組織に生まれ変わることを期待しているとのお話しがありました。また、公表したビジョンペーパーの趣旨を踏まえ、今後改正公認会計士法の対応を始めとする多くの課題に次期執行部が適切に対処することを信じていると締めくくられました。 最後にご来賓、会員、準会員、理事諸氏等から惜しまぬ協力を賜ったことへの謝辞が述べられ、会場から大きな拍手が起こりました。 |
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【来賓挨拶】 | ||||||||||||||||||||||||||
![]() 「貯蓄から投資」への流れの中で金融資本市場に対する投資者の信頼を確保し国民が安心して投資を行うことができるようにするには企業財務情報の適正な開示が不可欠であります。昨年成立した金融商品取引法では四半期報告制度や内部統制報告制度の導入等の措置を講じましたが、企業財務情報の適正な開示を確保するためには財務諸表を監査する立場の監査人の側においても会計監査の自立強化を図ることが重要であります。この観点から6月20日に成立した改正公認会計士法では監査法人の品質管理、ガバナンス、ディスクロージャーの強化、監査人の独立性、地位の強化、監査法人等に対する監督、監査法人等のあり方の見直し等の措置を講じました。今後は改正法の趣旨を踏まえて監査に対する国民の信頼を確保するため、公認会計士一人ひとりが監査の質の向上に真摯に取り組むとともに日本公認会計士協会に強いリーダーシップを発揮してもらいたいと思います。公認会計士界を巡りましては会計監査を担う人材の確保、適正な監査時間、報酬の確保、中小中堅監査法人も含めた監査の裾野の拡大など関係者が一致協力して取り組むべき多くの課題があると認識しています。金融庁としては日本公認会計士協会と連携を図りつつ適切な監査が行われる環境の整備に取り組んでいく所存であるとのお話しがありました。 ![]() |
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【議長・副議長の任命】 | ||||||||||||||||||||||||||
続いて澤田眞史副会長により物故会員・準会員124名への黙祷が出席者全員によってささげられました。その後、藤沼会長から会則第76条第1項により議長・副議長を任命したい旨の提案がありました。真下和男会員(東京会)を議長に、碓井太吉会員(北陸会)、高津靖史会員(京滋会)をそれぞれ副議長に任命することが拍手をもって承認されました。 その後議長、副議長3名の方が演壇に上がられ就任の挨拶をされました。 | ||||||||||||||||||||||||||
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【議事】 | ||||||||||||||||||||||||||
午後1時33分頃、議事に入りました。 本日の出席者数は現在集計中であり、報告事項の後に集計結果を報告することとされました。また、議決権の総数は22,067個であり、委任状による出席者数は、議決権を有する会員及び準会員の5分の1以上であり開会に必要な定足数を充足している旨が報告されました。さらに、会則第82条に基づき東京会会員の方2名を議事録署名人としたい旨の提案があり、拍手をもって承認されました。 | ||||||||||||||||||||||||||
【報告事項】 | ||||||||||||||||||||||||||
午後1時37分頃、会則第75条第2項に従い、黒田常務理事より報告事項として「第41事業年度事業及び会務報告」の報告が定期総会議案書に従って行われました。項目を示すと以下の通りです。 | ||||||||||||||||||||||||||
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なお、最後に、将来わが国公認会計士業界の発展、進歩に貢献できる国際的職業会計人を養成することを目的に、東京会の川島正夫会員より既に1億円のご寄付を頂いていましたが、さらに本年6月に5千万円のご寄付を頂いたことが報告されました。 | ||||||||||||||||||||||||||
続いて午後1時51分頃より質疑に入りました。 まず、事前に提出された書面による質問、意見に対して黒田常務理事より説明、回答が行われました。記載ぶりに齟齬があるかもしれないので、以下では質問事項等の概要のみを示したいと思います。回答等についてはJICPAニュースレターをご参照下さい。 | ||||||||||||||||||||||||||
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事前に提出された書面による質問・意見及びそれらに対する回答・説明は午後2時7分頃終了しました。 その後、これ以外の質問・意見陳述が会場にて行われました。 |
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質疑応答は午後2時43分頃に終了しました。 | ||||||||||||||||||||||||||
ここで、出席者数についての報告が議長団より行われました。議決権の総数は22,067個、そのうち、本人出席875名、委任状による出席6,278名の合計7,153名でありました。
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【審議事項】 | ||||||||||||||||||||||||||
午後2時45分頃審議事項に入りました。下記2つの議案を一括上程することが議長より提案され、拍手をもって了承されました。 | ||||||||||||||||||||||||||
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小島常務理事により第1号議案、第2号議案を合わせて説明があり、午後2時54分頃終了しました。続いて、池田監事より、会務の執行は誠実に行われており収支計算書等は適正に作成されている旨の監査報告がありました。 続いて小島常務理事より事前に提出された書面による質問、意見に対する回答、説明が行われました。ここでは質問事項等のみを示しています。 | ||||||||||||||||||||||||||
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第1号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,250個、反対は28個でありました。よって、原案通り可決されました。 第2号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,247個、反対は31個でありました。よって、原案通り可決されました。 ここで議長より休憩の動議があり、了承されました。午後3時10分頃休憩に入り、午後3時25分再開予定となりました。 | ||||||||||||||||||||||||||
休憩後午後3時29分頃再開しました。下記2つの議案を一括上程することが議長より提案され、拍手をもって了承されました。 |
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黒田常務理事より議案の説明が行われました。続いて黒田常務理事より事前に提出された書面による質問、意見に対する回答、説明が行われました。ここでは質問事項等のみを示しています。 |
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午後3時41分頃に説明が終了し、上記以外の質問、意見について取り上げられました。 会員について監査法人を含むのかどうかとの質問があり、黒田常務理事が回答されました。 午後3時43分頃に採決に入りました。 | ||||||||||||||||||||||||||
3-1号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,244個、反対は34個でありました。よって、原案通り可決されました。 3-2号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,241個、反対は37個でありました。よって、原案通り可決されました。 | ||||||||||||||||||||||||||
午後3時45分頃 下記2つの議案を一括上程することが議長より提案され、拍手により了承されました。黒田常務理事より議案の説明がありました。 | ||||||||||||||||||||||||||
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書面による事前質問、意見はなく、会場からの質問等もありませんでしたので、採決に入りました。 | ||||||||||||||||||||||||||
第4-1号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,251個、反対は27個でありました。よって、原案通り可決されました。 第4-2号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,249個、反対は29個でありました。よって、原案通り可決されました。 | ||||||||||||||||||||||||||
午後3時54分頃 下記第5号議案の審議に入りました。奥山常務理事より説明がありました。 | ||||||||||||||||||||||||||
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書面による事前質問、意見はなく、会場からの質問等もありませんでした。採決に入り、第5号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,248個、反対は30個でありました。よって、原案通り可決されました。 |
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午後3時56分頃 下記3つの議案を一括上程することが議長より提案され拍手により了承されました。黒田常務理事,小島常務理事より議案の説明がありました。 | ||||||||||||||||||||||||||
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黒田常務理事より第6号議案の説明がありました。基本方針及び下記7つの重点施策が説明されました。 | ||||||||||||||||||||||||||
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続いて午後4時3分頃より小島常務理事により第7号議案、第8号議案の説明がありました。 午後4時10分頃より第6号〜第8号議案について黒田常務理事、小島常務理事により事前質問事項等に対する回答が行われました。 | ||||||||||||||||||||||||||
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その後、これら以外に会場より下記のような質問・意見陳述等が行われ、黒田常務理事、小島常務理事、増田次期会長が回答されました。 | ||||||||||||||||||||||||||
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午後4時29分頃採決に入りました。 |
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午後4時31分頃 第9号議案 監事選任の件について黒田常務理事より説明があり、4名(うち1名非会員)の候補者が上げられました。 |
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午後4時40分頃 神山監事より第10号議案 会計監査人選任の件の説明がありました。 | ||||||||||||||||||||||||||
会則第99条第3項により優成監査法人を会計監査人として選任したい旨の提案があり、公益法人会計基準に精通していること、大規模公益法人の監査実績があり、大規模法人を監査できる一定規模以上の監査業務の実施体制を維持していることが判断基準であるとの説明がありました。 事前に書面にて提出された質問、意見に対して神山監事、小島常務理事が回答、説明されました。事前質問事項等は次の通りです。 |
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午後4時51分頃採決に入りました。 第10号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,219個、反対は59個でありました。よって、原案通り可決されました。 |
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【報告事項】 | ||||||||||||||||||||||||||
午後4時54分頃に報告事項に入りました。下記3件が報告されました。 |
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会場より本年2月の理事選挙方法及び会長選挙方法についての意見がありました。 | ||||||||||||||||||||||||||
ここで議長団が退場されました。午後5時8分頃でありました。 | ||||||||||||||||||||||||||
(7)協会学術賞授与 | ||||||||||||||||||||||||||
続いて鈴木委員長より学術賞として石田晴美氏の「地方自治体会計改革論」、学術賞(会員特別賞)として井上雅彦氏の「事業再編に伴う退職給付制度の設計と会計実務」が選出された旨が報告され、藤沼会長より表彰状及び賞品が贈呈されました。 |
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(8)会員表彰 | ||||||||||||||||||||||||||
引き続き会員表彰が行われました。会員表彰贈呈者は316名であり、東京会の高野忠和氏が代表にて授与され、ご挨拶されました。 |
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(9)感謝状贈呈 | ||||||||||||||||||||||||||
6月に5千万円のご寄付を頂いた東京会の川島会員に藤沼会長から感謝状が贈呈されました。同会員からご挨拶がありました。 |
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(10)会長・次期会長挨拶 | ||||||||||||||||||||||||||
藤沼会長からご挨拶がありました。会社法の制定、公認会計士法の改正等に関連して国会に10回呼ばれたこと、会長選挙の方法等についてのお話しがあり、次期執行部は大きな課題を抱えてスタートするので会員各位へ協力を要請されました。 増田次期会長からは会長就任を名誉に感ずること、今までの経験、人脈等を通じて全力で業界の発展のために尽力するのでご支援をお願いしたいということでありました。最後に増田次期会長から藤沼会長に感謝状が贈呈されました。 |
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(11)閉会の辞 | ||||||||||||||||||||||||||
前川副会長より閉会の辞があり、総会が終了しました。午後5時34分頃でありました。 | ||||||||||||||||||||||||||
U.会員の声 | ||||||||||||||||||||||||||
午後5時35分頃に佐藤理事、遠藤理事を司会に会員の声が始まりました。 自主規制のあり方、CPE制度の必要性、外部の会員を入れることが透明性を高めることになるのかといった質問、意見があり増田会長、澤田副会長、黒田常務理事が回答されました。 午後5時56分頃にすべての行事予定が終了しました。 | ||||||||||||||||||||||||||
【最後に】 | ||||||||||||||||||||||||||
私自身初めての本部総会出席でしたが、会務活動状況の理解を深めることができ、有意義な時を過ごすことができたと思います。5時間近くの長丁場でしたがそれも案外短く感じられました。近畿会の会員の皆様も機会があれば是非ご出席されることをお勧め致します。 |