臨時総会レポート

近畿会副会長 小山謙司

 
【はじめに】
 平成19年12月10日(月)小春日和の中、帝国ホテル(東京都千代田区内幸町)本館3階の「富士の間」にて日本公認会計士協会の臨時総会が開催されましたので、その内容をレポートしたいと思います。
 この臨時総会は、@平成19年6月の公認会計士法の改正に伴う会則及び関係規則の一部変更、A金融商品取引法の施行等に伴う会則及び関係規則の一部変更、B協会の機構改革に伴う会則及び委員会規則の一部変更、の審議のために開催されたものでありますが、私の聞き漏れ、聞き違い等により正確性に欠ける記述があるかもしれません。素人記者ということでご容赦下さい。なお、公式の総会報告については後日JICPAニュースレターにより行われますので、そちらをご参照頂きますと幸甚であります。
 
【会長挨拶】
 まず、大村・勝野・山田各常務理事の司会のもと、午後1時から臨時総会が開始されまし
た。澤田副会長の「開会の辞」に引き続き、増田宏一会長の挨拶がありました。
 増田会長の挨拶は次の通りです。
 まず最初に山本金融担当副大臣、三國谷金融庁総務企画局長等のご来賓の方々のご臨席への御礼、会員、準会員への参集に対する謝意を述べられました。
 引き続き増田会長の言葉を綴ります。今年7月に前執行部から引き継いだ最重要課題が改正公認会計士法への対応であり、当時の担当副会長であった自分自身は公認会計士法改正の議論に当初から参画しており、その過程において社会からの厳しい批判とともに公認会計士に対する期待の増大を直接肌で感じておりました。この数年に亘って頻発する会計不祥事から会計監査を担当する公認会計士、監査法人に対する批判が高まってきております。会計監査を独 占業務とする公認会計士、監査法人は資本市場の番人としての重要な役割を果たすことが社会から求められています。加えて社会経済構造の複雑化、高度化、国際化が進む中、我々に求められ、また我々が必要とする知識・技能の分野はますます拡大し、多様化してきております。こうした状況下にあって我々はその課せられた使命・役割と社会のニーズを深く認識する必要があります。この観点から、@監査への信頼回復のための自主規制の着実な実行と社会へのアピール、A制度的枠組みの見直しと監査環境の整備を実現するための社会に向かっての発言、B多様・多才な人材の確保と育成、C多様化する社会的ニーズへの適切な対応と会員支援、D協会ガバナンス改革の継続、の5つを基本方針に掲げ、会務を運営していく所存であります。

 平成15年からの5年間で実に3度目の臨時総会させていただくことになりました。近時
の公認会計士業界はまさに激動の中にあるといえましょう。
 平成15年の臨時総会は、その年の5月に改正された公認会計士法への対応を図るものであり、公認会計士の使命・職責規定の新設、監査法人の認可制から届出制への改正、継続的専門研修の法定化、品質管理レビューの公認会計士・監査審査会によるモニタリングなどに対応した会則及び関係規則の変更が主な議案でありました。
 平成18年の臨時総会では、会計不祥事を巡る公認会計士監査に対する不信感から、その信頼を回復し、社会の期待に応えていくための施策として掲げた上場会社監査事務所登録制度の創設と国際的に調和の取れた包括的な倫理規則の整備と強化にかかる会則及び関係規則の変更が主な議案でありました。
 いずれもその時々の業界を取り巻く環境に迅速に対応してきたものであり、これらに加
えて定期総会における協会組織及びガバナンスの抜本的な改革にかかる会則・関係規則の変更審議など、協会は真に会計プロフェッションの自主規制団体として社会の信頼を集める組織に生まれ変わっていくための機能強化に努めてまいりました。そしてこれらは社会からも一定の評価を得て来ているものと確信しております。

 しかし、社会の公認会計士に対する期待の高まりとその裏腹にある批判は、時としてこ
れら協会の改革を上回るところでの議論へと発展することもございます。その一端が昨年
春に活動を再開された金融審議会公認会計士制度部会における、監査法人の責任等のあり方、監査法人等に対する監督のあり方及び監査人の独立性確保を中心とした議論ではなかったかと感じております。議論の過程では我々業界に対する厳しい意見、提案があったことはご高承のことと存じます。受け止めるべき批判は真摯に受け止め、また、協会は自ら推進して来ている自主規制機能を背景に、資本市場の信頼性を確保するためには社会インフラとしての公認会計士監査制度をより強固なものにすることが肝要であります。そのためには公認会計士の自主規制団体である協会の自主規制機能の発揮が不可欠であり、次いで行政はこの自主規制機能活動の監視を通じ、至らざる点を補完することこそが国民経済的にも効果的、効率的な監査規制のあり方であることを主張し、今般の公認会計士法改正に臨んでまいりました。こうした議論が昨年12月に公認会計士制度部会報告『公認会計士・監査法人制度の充実、強化について』として取りまとめられ、それを受け本年6月の公認会計士法再改正として結実いたしました。

 今般の公認会計士法の改正は、@監査法人の品質管理・ガバナンス・ディスクロージャ
ーの強化、A監査人の独立性と地位の強化、B監査法人等に対する監督・責任のあり方の3点に総括されます。このうち@の一環として監査法人の社員資格を公認会計士でない者にまで拡大することを受け、その公認会計士でない監査法人の社員を会計プロフェッションの自主規制団体の中にいかに受け入れていくか、ということが本日ご提案させていただいている会則変更案であります。また、Aに関連して倫理規則の変更案も上程させていただいております。 これら改正公認会計士法への対応に加えて、本年6月には金融商品取引法が制定され、新たに内部統制報告制度や四半期報告制度などが来年4月から導入されることになりました。これらの新たな業務への円滑な対応もまたパブリックインタレストの擁護に貢献するという我々に課せられた重大な使命であり、それに関連した会則変更案も上程させていただいております。
 本日上程させていただいている議案はいずれも現下の業界を取り巻く環境において迅速な対応が求められている事柄ばかりであり、これらの議案にご承認いただいた後にはそれを実効あらしめるための施策へと展開していかなければなりません。また、これ以外にも公的分野のディスクロージャー制度における公認会計士に対する社会的ニーズへの対応も具体化していかなければなりません。

 引き続き会員各位には一層のご協力をお願いする次第であります。最後にご来賓各位並びに会員各位のますますのご健勝を祈念し、私の挨拶とします。
 
【来賓挨拶】
 午後1時15分過ぎにご来賓の山本明彦内閣府金融担当副大臣からご挨拶を頂戴しました。
 貯蓄から投資へという社会の変革において、企業財務情報の信頼性確保のために会計監査を行う公認会計士・監査法人が果たす社会的役割は大変大きくなってきております。監査業務の高度化、複雑化が進み、組織的監査の重要性が高まっております。上質な監査は資本市場の要であり、国際的にもその重要性が高まっております。今後とも公認会計士一人ひとりが監査の質の向上に真摯に取り組んでいただきますとともに、日本公認会計士協会が専門職業士団体としての立場から強いリーダーシップを発揮していただきたいとのお話しがありました。
 ご来賓の方々はご多忙のためこの後退席されました。
 
【議長・副議長の任命】
 会則第76条第1項の規程により会長が仮議長となり、出席会員の中から議長1名、副議
長2名が任命されました。議長は眞下和男会員(東京会)、副議長は一法師信武会員(東京会)、山之内茂樹会員(南九州会)が候補者となり、拍手をもって承認されました。
 
【議 事】
議長、副議長の挨拶に引き続き、審議が開始されました。
 まず、委任状による出席者数が副議長より報告されました。議決権の総数は21,972個で
あり、そのうち委任状による出席者は5,121名でありました。続いて議長より総会の開催
には会則第74条第1項の規程により議決権を有する会員・準会員の5分の1以上の出席が必要であり、定足数が充足されている旨が報告されました。また、会則第82条の規程により議事録署名人候補として大鷲雅一会員(東京会)、武山知良会員(東京会)が提案され、拍手をもって承認されました。

 まず、増田会長により、午後1時28分頃より約20分間に亘り会則及び関係規則一部変
更案に関する「総括趣旨説明」が行われました。
 平成13年のエンロン事件を発端とした昨今の『公認会計士業界を巡る環境』や『公認会
計士法再改正の経緯』『改正公認会計士法の概要』『改正公認会計士法を受けた政令・内閣府令の概要』等がパワーポイントを用いて説明されました。

 審議に入る前に出席者の最終報告が副議長より行われました。
 議決権の総数は21,972個、そのうち本人出席は465名、委任状による出席は5,002名で
あり、合計5,467名の出席となりました。
 続いて午後1時50分頃から審議に入りましたが、議長より第1-1号議案と第1-2号議案
は関連があるので一括して上程したい旨の発言があり、拍手をもって了承されました。
勝野常務理事より議案説明が行われました。議案は下記の通りです。
第1-1号議案
公認会計士法改正に伴う会則の一部変更案承認の件
第1-2号議案
公認会計士法改正に伴う倫理規則、委員会規則、品質管理委員会規則、上場会社監査事務所登録規則及び会費規則の一部変更案承認の件
 第1-1号議案の主な内容は、平成19年の公認会計士法改正により制定された特定社員制度の創設に伴う会則の一部変更案であり、特定社員を5号準会員として受け入れる旨が説明されました。また、「地域会」についてはその主な目的が所属する会員、準会員に対する本会施策の衆知と考えられるが、特定社員は必ず制度上監査法人に所属することとなっており、「地域会」に所属しなくともその目的は達せられるものと考えられるため、強制的に所属させる必要はないものとし、地域会に関連する規程中準会員について特定社員を除く旨の変更を加えたとの説明がありました。さらに「会計士補会」についてはその主な目的が後進育成であるため、専門的知見を有する者がなることが予定されている特定社員は所属しないこととしたとの説明がありました。
 第1-2号議案の主な内容は、倫理規則の一部変更として金融商品取引法改正に基づく法令違反等事実の申出の場合における守秘義務免除の追加、監査法人の名称の使用の規制緩和等であり、その他として、委員会規則、品質管理委員会規則、上場会社監査事務所登録規則、会費規則の一部変更案が説明されました。
 続いて質疑応答に入りました。まず特定社員についての上限(25%)が設けられた背景、5号準会員としての位置付け、監査証明への不当な影響を排除する具体的な処置等に関して質問があり、黒田副会長、友永副会長が回答されました。その他特定社員に関する手続き関係の質問、地域会所属の問題に関する質問等があり、増田会長、黒田副会長、澤田副会長等が回答されました。
 午後2時41分頃採決に入りました。結果は下記の通りであります。
 第1-1号議案 拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は4,976
個、反対は26個であり、原案通り可決されました。

 第1-2号議案 拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は4,979
個、反対は23個であり、原案通り可決されました。

 ここで休憩に入りました。午後2時45分から午後3時までであります。
 休憩後審議が再開されました。まず議長より第2-1号議案と第2-2号議案は関連があるの
で一括して上程したい旨の発言があり、拍手をもって了承されました。

 大村常務理事より議案説明が行われました。議案は下記の通りです。
第2-1号議案
金融商品取引法の施行等に伴う会則の一部変更案承認の件
第2-2号議案
金融商品取引法の施行等に伴う倫理規則、品質管理委員会規則、上場会社監査事務所登録規則、会費規則及び法定監査関係書類等提出規則の一部変更案承認の件
 第2-1号議案及び第2-2号議案は9月30日の金融商品取引法の施行、10月1日の日本郵
政公社の廃止、9月30日の新信託法の施行に伴う会則及び関係諸規則の一部変更がその内容であり、具体的には『証券取引法』を『金融商品取引法』に改めるといった用語変更や
日本郵政公社の用語削除等です。
 午後3時6分頃より質疑応答が行われました。業務会費の増加の見通し等について質問
があり、蔵口常務理事より説明がありました。
 午後3時10分頃採決に入りました。結果は下記の通りであります。
 第2-1号議案 拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は4,987
個、反対は15個であり、原案通り可決されました。
 第2-2号議案 拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は4,987
個、反対は15個であり、原案通り可決されました。

 引き続き午後3時12分頃から次の審議に入りましたが、議長より第3-1号議案と第3-2
号議案は関連があるので一括して上程したい旨の発言があり、拍手をもって了承されまし
た。山田常務理事より議案説明が行われました。議案は下記の通りです。
第3-1号議案
協会の機構改革に伴う会則の一部変更案承認の件
第3-1号議案
協会の機構改革に伴う委員会規則の一部変更案承認の件
 第3-1号議案の主な内容は、本会の知的財産の保護及び本会独自の知的財産の有効活用を積極的に出版事業として展開するため、また、会報、機関誌その他出版物の企画編集及び発行等を行うための新たな組織として「出版局」を設置することとし、会則にその旨を規程することとし、会則の一部変更案を上程しました。また、事務局機構の改革に伴う会則の一部変更案を上程しました。第3-2号議案は「出版局」の設置に伴い、常置委員会のうち出版委員会、機関誌編集員会を出版局に設置する委員会の所属に変更するための規則変更案であります。

 質疑応答はなく、午後3時20分頃採決に入りました。結果は下記の通りであります。
 第3-1号議案 拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は4,981
個、反対は21個であり、原案通り可決されました。
 第3-2号議案 拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は4,981
個、反対は21個であり、原案通り可決されました。
 なお、第1-1号議案、第2-1号議案、第3-1号議案は会則変更議案であり、公認会計士法第44条第2項により、金融庁長官の認可が必要であり、その際の字句修正は会長一任とさせていただきたいとの発言がありました。午後3時23分頃議長団が退場されました。
 
【終わりに】
 山崎副会長による閉会の辞により臨時総会が無事終了しました。午後3時25分でありま
した。臨時総会がここ5年間で3回も開催されており、我々の業界が大きな節目にあるこ
とが実感できました。公認会計士の一人として新たな気持ちで会場を出ました。