年男年女

2008年を迎えて子年の人々新年の抱負

 

八十四歳子年、晩年の始まり

堀内英雄

 大学予科の頃読んだポアンカレ「科学の価値」の中で、数学者は幾何学的と代数的と二つのタイプがあり、前者は代数の問題も幾何的に解き、後者は幾何の問題も代数的に解くと書かれていたことを憶えています。これを監査の世界に持ち出す勇気はなかったのですが、数年前に長岡實氏が「私の履歴書」で大学に入学して民法の末弘厳太郎先生が「法律の個々の条文を覚えることが大切なのではない。法律学的な頭の訓練こそが大切なのである。それはユークリッドの幾何学で補助線の引き方を学ぶようなものだ」とおっしゃったこと鮮明に覚えていると書かれていたのを読んでから人に語るようになった。
 昨年10月のCPEで吉見宏先生が、公認会計士として職務を行うときの職業倫理と、個
人として行動するときの倫理とは異なると述べられたので、監査とは監査基準に従って行
う行動の体系(私はこれを代数的、論理的と考える)ではなく、財務諸表における真実を
発見するための幾何学的、直観的な行動の体系と考える監査論が成立するならば上記の倫理が異なることにならない可能性が生れるのではないかと質問申し上げました。
 ポアンカレを読んでいた頃、西田幾太郎博士の本もいくらか読みました。

愛宕山入り日のごとく あかあかと
       燃やし尽くさん 残れる命

  の一首をしみじみと思い起します。