報告

最近のCPE制度事情について

主要内容
CPE制度についての協会の方針、履修義務不履行者に対する厳正な対応、
履修単位の修正・取消、近畿会におけるCPE単位取得推進に向けての取り組み)

近畿会研究・CPE研修部長 増田明彦

 
 去る平成19年11月30日(金)にCPE推進センター(※)全体会議が、日本公認会計
士協会本部の2階ホールで開催されました。本稿では、その会議で取り上げられた内容を踏まえ、最近のCPE制度事情及び近畿会におけるCPE単位取得推進に向けての取り組みについて述べたいと思います。
(※)CPE推進センター(継続的専門研修制度推進センター)は、会員の継続的専門研
修制度に対する理解を深め、履修の促進を図るために、会員の研修活動及び履修状況を的確に把握し、会員の研修活動の支援にあたるために、日本公認会計士協会に設置されたものです。近畿会からは、正副会長及び研究・CPE研修部のメンバーが構成員として参加しています。
 
1.CPE制度についての協会の方針について
 CPE制度は、平成16年4月1日以降法定化され、3年間の導入期間を経て、4年目の
平成19年度以後においては、この間の運用実績を踏まえて、制度上見直すべきことについては早急に対応し、また、義務不履行者に対してもしかるべき対応を厳正に実施し、メリハリのある運用体制を構築して、CPE制度が自主規制による運用の下で十分機能していることを社会にアピールしたいというのが協会の方針です。
 義務不履行者に係る措置、処分は厳格に実施ししなければなりませんが、会員がCPE
制度の運用について十分に理解し、不注意等による履修義務違反者が出ないように対処する必要があります。そのため、本部と地域会の連携をより深め、新たにCPE義務達成を支援するために各地域会にCPE専担組織を置くことになりました。
 
2.CPE制度の見直しについて
 現在、監査従事者とそれ以外の者は区別せず、一律40単位の履修義務を課していますが、これらに区別を設けて監査従事者以外に対し、一定の軽減措置を設けてもいいのではないかという意見があります。
 また、今は履修義務については1年40単位で、履修単位不足になると、翌年の履修義務
単位数に加算される仕組みとなっています。例えば、従来履修義務を達成していた人が履修義務40単位のところを、20単位の履修に終わったとしますと、まずその年度は20単位の履修単位不足ということになります。そして、翌年度の履修義務は40単位ではなく40
単位+不足20単位の合計60単位ということになります。そのため、翌年度は50単位履修
したとしても、10単位の履修単位不足となり、引き続き義務未達成者となります。また、2
年連続で20単位の履修のケースでは、翌々年度には80単位の履修義務が生ずることとなります。このように、履修単位不足数が累積してしまうため、一旦、履修義務未達成を起こすと、連続で履修義務未達成者となる可能性が高まってしまいます。そこで、例えば複数年での履修義務単位を定めることができないか等についても検討しています。
 
3.最近のCPE履修結果について
全国及び近畿会の平成17年度と
平成18年度の履修結果の推移は以下のとおりです。

 平成17年度は近畿会で義務未達成者が103人だったのに対し、平成18年度は88人と減
少し、義務達成率も平成17年度は全国平均を下回っていたものが、平成18年度では全国
平均並みになりました。しかし、まだまだ履修達成率が高い地域会ということはできず、
全13地域会のうち10番目の義務達成率となっております(地域会別のCPE義務達成率
につきましては、CPEレター1月号で公表されています)。
 
4.履修義務不履行に係る措置、処分について
 協会の履修義務不履行者に対する対応を、軽いものから厳しいものへ列挙しますと以下のとおりです。
@ まず、CPE協議会会長による、指導・勧告としての「注意喚起」(会則第120条3項、CPE 規則第15条第2項)が行われます。
A 次の段階としては、「辞退勧告等の措置」(CPE規則第7条第2項の「義務不履行者
に対する必要な措置」)、すなわち、以下の措置がとられます。
  (イ) 当該会員が従事する監査業務の辞退勧告
  (ロ) 当該会員が公認会計士協会の役員等である場合は辞任勧告
  (ハ) 各種外部委員等への推薦除外
B  さらに、次の段階としては、懲戒処分として「氏名、登録番号及び所属地域会の公表」が実施されます。ここまではご存知の方は多いと思いますが、意外と知られていないのが、「氏名等の公表で終わりではない」ということです。
C すなわち、氏名公表等を受けてなお、履修義務の履行状況が改善されない場合には、綱紀審査会の対象となり、懲戒処分を受ける可能性があります。綱紀審査会による懲戒処分としては、戒告、会員権の停止、金融庁長官に対する懲戒処分の請求があり、最悪のケースでは金融庁長官に対する懲戒処分の請求までいきつく可能性があります。
 
5.免除・軽減申請を受けずに履修義務不履行者になるケースについて
 公認会計士の業務を行わない場合又は行わないと見込まれる場合、履修義務の免除及び軽減の制度があります。しかし、この制度は申請が前提となっていますので、免除もしくは軽減事由があっても、申請手続がなければ、所定単位数が免除もしくは軽減されず、そのために履修義務不履行者となってしまう会員が見受けられます。
 さらに、この申請は各年度ごとに行う必要があり、ある年度に免除・軽減申請をして認
められていても、翌年度も自動的に免除・軽減が行われることにはなりません。実際に、
満80歳以上で監査業務に従事していない場合で免除申請を認められた人が、翌年度に免除申請をせず、義務不履行者になっているケースがあります(監査業務をしていないことが要件のため、単に80歳以上であるだけでは免除されず年度毎の申請が必要です)。
 免除・軽減を受ける場合には、申請期限内(当該年度の8月31日まで)に申請をする必
要があります。ただし、9月以降に軽減の事由が発生した場合には、当該年度の2月末ま
で申請をすることができます。
 
6.サンプリング・チェックによる履修単位数の修正、取消について
 CPE協議会は、平成19年度上半期の中間履修状況について、会員から提出されたすべての随時申告書・集合研修結果報告書を対象として、サンプリング・チェックを実施しま
した。その結果、履修単位数の修正や取消しとなった例としては、以下のようなものがあ
ります。なお、詳細については、継続的専門研修制度協議会の「会員の履修申告についての留意点」(平成20年1月15日)をご参照ください。
@  他団体主催による営業力パワーアップ・セミナー。
A 自己学習(CPE指定記事)で研修概要等の記載内容が目次の羅列になっているもの。
B 自己学習(専門書の読書等)で自己学習マニュアルやハンドブック、あるいは国
税庁のHPによる学習や公認会計士業務と直接関連のない教養書のような  一般書籍の通読等。
C 著書執筆等で履修単位数の算定(4,000字で1単位)に誤りがあるもの。
 
7.近畿会におけるCPE単位取得推進に 向けての取り組み
 近畿会では、CPE単位取得推進に向けて、研修機会の提供、研修会開催情報の提供、CPE制度関係の問合せ窓口の設置等の検討をしています。 
 研修機会の提供としては、DVD教材等利用によるビデオ研修会を積極的に開催してい
きます。また、3月には、必須研修項目の「職業倫理」(免除者を除く全員)と「監査の品質
管理」(法定監査従事者)についての研修会を実施する予定です。また、現在、あまり利用
されていないeラーニング制度について、利用促進をしていきます。
 研修会開催情報の提供につきましては、近畿会主催の研修会だけでなく、京滋会、兵庫会の研修会開催情報も何らかの形で提供していくことを検討しており、会員の研修機会を増加させたいと考えております。
 そして、近畿会事務局内にCPE制度に関する問合せ窓口の設置を検討しています。そ
こでは、会員のCPE履修状況に関する問合せ対応、インターネットを利用しない会員等
のためのCPE制度関係の特定資料の紙ベースでの備え置き、CPE制度に関する簡単な
質問に対する応答等を通じて、会員のCPE単位取得に対するサポートができればと考えております。
 
8.最後に
 3月末まであと2ヶ月を切りました。近畿会といたしましてもできるかぎりのバックア
ップをさせていただく所存ですので、会員の皆様には、是非とも履修義務を達成していた
だきますよう、よろしくお願い申し上げます。