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IASB&ASBJ特別セミナーの開催を振り返って |
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近畿会副会長 遠藤尚秀 |
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(監査会計委員会担当) |
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・EU | |||||||||||||||||||||
域内経済統合の基盤整備として、IFRSの前身の国際会計基準(IAS)を採用することとして、2002年7月に「IAS適用に関する規則」を採択した。当該採択により域内企業には2005年以降、域外企業には2007年以降IFRSまたはこれと同等な基準の適用を義務付け。(いわゆる同等性評価) | |||||||||||||||||||||
・米国 | |||||||||||||||||||||
2002年10月に米国の会計基準設定主体である財務会計基準機構(FASB)とIASBとの間でコンバージェンスの必要性が確認され(ノーウォーク合意)、2006年2月には2008年までにコンバージェンスの完了等を織り込んだ作業計画(MOU)が合意。
他方、米国の証券取引委員会(SEC)とEUの間において、2005年4月に「ロードマップ」が発表されて、2009年を目標としてIFRSによる財務諸表を数値調整なくして使用する道筋が示された。これを受けて、昨年11月から域外企業には米国基準とIFRSの調整表なしでIFRS使用を容認した。また米国企業についても、IFRSと米国基準の選択適用を容認することについて、コンセプト・リリースを公表し、広く意見を求めています。 このような国際的な動向を踏まえて、第2部においてASBJの最近の活動状況についてASBJ側から説明がなされました。 概略すると、上記の2005年7月のEU(具体的には欧州証券規制当局委員会:CESR(シーザーと呼びます)。)により、日本基準を含む三ヶ国(米、加)の会計基準は全体としてIFRSと同等と評価される一方、日本基準については26項目について補正措置(追加開示)が必要と助言されました。 また、昨年の8月にASBJがIASBとの間で「会計基準のコンバージェンスの加速化に向けた取組みの合意(いわゆる東京合意)」が公表され、2011年6月30日までに日本基準と国際財務報告基準(IFRS)とのコンバージェンスを達成するという期限を明確にされました。このことは、現在、100カ国以上の国がIFRSの導入(アドプション)を表明し、また米国とIASBのコンバージェンスが進行している中、わが国のみが独立独歩で会計基準を設定し運営することの限界を明確に認識した上での対応と評価できます。 この東京合意を受け、以下のような会計基準の設定作業に関するアクションプランが公表されています。 |
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・東京合意による3段階のコンバージェンス計画 | |||||||||||||||||||||
@2008年末までの検討項目(短期:EUによる同等性評価の関連) ・工事契約 ・資産除去債務 ・金融商品(時価開示) ・企業結合(持分プーリング法他) ・会計方針の統一(関連会社) ・研究費と開発費 ・棚卸資産(後入先出法) ・退職給付 ・投資不動産 |
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A2011年末までの検討事項(中期) ・セグメント情報 ・過年度遡及修正 ・企業結合(のれんの償却他) |
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BISAB/FASBのMOUに関連するプロジェクト項目 ・連結の範囲 ・財務諸表の表示 ・収益認識 ・負債と資本の区分 ・金融商品 |
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最後に、発表後の質疑応答では、IFRSと国内法についての関係や「包括利益」のみの表示で「当期純利益」はなくなるのかとのご質問があり、実務界における会計基準のコンバージェンスに対する関心の高さがうかがえました。 | |||||||||||||||||||||
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