「雑感… 会員の声」

 若手の公認会計士の諸君へ

公認会計士 丸岡 昭文

 この投稿は、できたら50才以下の若手の先生に、読んで欲しいと思っている。
  現在、公認会計士に対する社会の信頼と期待は、私が、合格した頃と較べものにならない程大きいものがある。したがって一部の心ない公認会計士が起こす不祥事には、怒りを感ずる事がある。
  私は、昭和47年、税務職員として会計人のスタートを切った。その時の基礎研修で、当時の吉國国税庁長官が次のような趣旨で、訓示された事を、今でも鮮明に記憶している。
 @これからの時代は、家族が家族を養う社会ではなく、世代が世代を養う社会になる。その時、根幹をなすのは、税である。
 Aたとえ話をすると、民主的な国であった米・英は、戦費を税でまかない、直接、国民の負担で戦った。しかし一方、独・日は、国債等に頼ったことにより、戦争遂行に対する説得力をしだいに、失って行くことになった。
 B税は、国の泉であり、税務行政は、しっかりしたものでなければならない。
  その後、私は、公認会計士試験に合格し、監査法人に勤務する事となったが、監査についての考え方を、高い次元で、お聞きする事は、私の周囲では、ほとんどなかった。「公認会計士の品格」に欠ける人達もおられたのは、異和感すら感じたものである。
  当時の私の精神的な救いは、近畿C.P.A.ニュースに、載る、先生方の記事であった。
  私共、公認会計士は、日本公認会計士協会の元会長の中地 宏先生が「世界で最も厳しい会計基準を持ち、それに従っているかチェックする最も厳しい監査基準を持てば、日本企業は世界で最も強くなる」と言われたが、そのような先生が、会長をされていた組織である事を、誇りにしてよいと思う。
  若手の公認会計士の諸君は、自信を持っていただきたいのである。これからも、公認会計士の監査は、社会に、必要不可欠なものとして根付いていくであろうし、公認会計士は、これは、一方国税の分野で税務行政を支える者と同じで、監査制度を支えていかなければならない。
  つけ加えて言えば、会計士協会の役員をしておられる方々も、もっと信念を持って運営をしていただきたいと思う。若手の公認会計士が監査に、希望を失う事がないようにしていただきたい。
  先日、また、あった話であるが建設業界の談合と、バックマージンの事である。談合とバックマージンで泣いているのは、常に、中小企業である。彼らは、水増し工事の見返りに、リベートを求められる。
  会計士協会は、なぜもっと談合撲滅キャンペーンを行なわないのか?建前上、ないから行なえないと言うのか?国際会計基準と言っても中味がこれでは、いつまでも、諸外国の信頼は得れないであろう。
  実務にあたっている公認会計士の諸君も、厳しい監査が、結果的にこのような実態を排除し、ひいては、中小企業の方からも、監査への信頼をより一層高める事になる事をつけ加えておきます。
  国際税務のコンサルティングで、ゲーム感覚になっている諸君がいたら、日本を悲しめさせるような事は、して欲しくないし、後々になって、自分の人生は、すばらしいものであったと誇れるか、いつも問っていただけるようお願いしたい。

平成20年4月11日
(2月決算が、一段落した事務所にて)