報告

公開企業向けの有価証券報告書
作成上の留意点セミナー(事業部共催)

監査会計委員会 委員長 白井弘

開催日時  平成20年5月29日 13時30分〜17時
場  所 近畿会研修室
講  師  近畿財務局理財課統括証券監査官瀬戸伸冶氏
近畿会監査会計委員会委員山添清昭氏
参加者  45名
 
1. はじめに
 監査会計委員会では平成20年1月17日開催の近畿三会及び近畿財務局との企業財務研究会において「訂正報告書の事例分析について」発表した。発表の詳細はCPAニュースに掲載し、また年次研究報告書にも掲載しているが、研究発表の主な内容は、訂正報告書の提出件数が増加傾向にあることおよびその主たる訂正内容がコーポレートガバナンス及び配当政策にかかる記載箇所に集中している点を事例分析したものである。また訂正報告書の提出件数が平成19年6月から平成20年3月までで5,271件にのぼり、同期間に提出された有価証券報告書4,479件を上回っている実状を鑑み、当委員会で訂正報告書の提出件数を削減するための方策について協議した結果、有価証券報告書を作成する5月末に近畿財務局管内の公開企業向け初めてのセミナーを事業部と共催で開催することとなった。

講師の山添清昭先生

 

 
2. セミナーの内容
(1) 近畿財務局理財課 統括証券監査官の瀬戸伸冶氏の説明内容
近畿財務局理財課の業務内容に続いて、開示制度に関する留意点の説明があった。
 その後、平成19年度の重点審査の概要について(i)有価証券報告書の調査票の内容説明及び(ii)金融庁より2月7日付けで公表された平成19年3月期に係る有価証券報告書の重点審査結果について説明があった。
 審査結果の概要において、記載内容が不十分と認められた主な事項は、「(i)配当政策に関する事項のうち、毎事業年度における配当の回数についての基本的な方針、配当の決定機関について記載していない。(ii)コーポレート・ガバナンスの状況のうち、定款で取締役の定数又は資格制限について定め、また取締役の選解任の決議要件について会社法と異なる別段の定めをしているが、その内容を記載していない。株主総会決議事項を取締役会で決議することができることとしているが、その事項及びその理由を記載していない。株主総会の特別決議要件を変更しているが、その内容及びその理由を記載していない。」である。
 また、5月15日付けで金融庁より有価証券報告書の作成・提出に際しての留意事項について公表されているが、平成20年3月期の重点審査については近々公表される予定であるとの説明があった。
(2) 監査会計委員会委員の山添清昭氏よりの説明内容
山添氏作成の「有価証券報告書作成上の留意点セミナー」に基づき財務会計基準機構作成の「有価証券報告書の作成要領」(参加企業に配付)を参照しながら、以下の項目について詳細な解説があった。
@ 有価証券報告書作成に係る主な改正点
  *金融商品取引法施行に伴う開示府例等の改正に関する事項
  *特別目的会社に関する事項
  *在外子会社の会計処理に関する事項
  *税制改正に伴う減価償却制度の見直しに関する事項
  *「退職給付に係る会計基準」の一部改正の適用に関する事項
  *関連当事者の開示に関する事項
  *リース取引に関する事項
   
A 有価証券報告書作成の定性的情報の開示について
   企業向けのセミナであることより、訂正報告書の事例分析結果に基づき、特に訂正事例の多かった箇所を中心に定性的情報の開示について重点を置いた解説をして頂いた。 「事業等のリスク」の項目の記載内容は、「財政状態及び経営成績の分析」の経営成績に重要な影響を与える要因についての分析等との関連性及びコーポレート・ガバナンスの状況」のリスク管理体制との関連性などが考えられる。また、各事項間の記載内容の整合性が確保されるように、また分かりやすい記載の方法等に留意する必要がある旨の解説があり、定性的情報の相互関連図を引用され、非常に分かりやすい説明であった。
B 有価証券報告書作成上の留意事項について
   直近の改正を反映し、財団法人財務会計基準機構が作成した「有価証券報告書の作成要領(平成20年3月期)」等を参照しながら、講師作成の資料(総数74頁)に基づき、三号様式の順に各項目ごとに留意事項について解説があった。   
 
3. おわりに
 今回、訂正報告書の提出件数の削減に向けての方策第一弾のセミナーであり、企業向けに実施したのは、初めてのことで近畿財務局への講師依頼から、出席対象企業の選定及び案内書の発送、資料の手配等なにかと限られた時間内での作業を事務局に御願いして開催の運びとなった。今回、財団法人財務会計基準機構の作成した「有価証券報告書の作成要領(平成20年3月期)」を参加者に配布した上で、解説したことよりかなり解説が具体的にできたのではないかと思う。今後も実施時期や参加対象企業の選定等の見直しを行う必要があるものの、継続的に実施していきたいと考える。

 

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会員向けの有価証券報告書作成上の留意点セミナー

監査会計委員会 委員長 白井弘

開催日時  平成20年5月30日 13時30分〜16時30分
場  所 近畿会研修室
講  師  宝印刷株式会社総合ディスクロージャー研究所
主任研究員 小西千秋氏 主任研究員新保秀一氏 参 加 者 103名
 
1. はじめに
 前日の企業向けの有価証券作成上の留意点セミナーに続き、会員向けに実施した。このセミナーは、訂正報告書の提出件数削減策の一環として、提出企業のみならず、監査人側でも監査報告書に係る訂正報告書が提出されているケースも見受けられること、近畿財務局では経理の状況の箇所が訂正された場合には、必ず訂正後の監査報告書の提出を要求している実状等を鑑み、会員向けにも訂正報告書の「経理の状況」についての記載誤りがないように留意して頂くことに加えて、「経理の状況」以外の箇所に係る訂正報告書についても訂正箇所及び訂正理由を理解して頂くことが有用であると判断して実施したものである。
 
2. セミナーの内容
(1)宝印刷株式会社 主任研究員 小西氏の説明内容
はじめに証券取引等監視委員会、金融庁長官及び財務局長等の関係近畿財務局理財課の業務概要及び開示検査に関してフロー図を用いて説明があった。
 その後、金融庁より2月7日付けで公表された平成19年3月期に係る有価証券報告書の重点審査結果について、「ディスクロージャーニュース」の記載に従って説明があった。
訂正事例については、訂正が多い項目は、以下の通りである。
@ 「1.株式等の状況」…譲渡制限株式等に係る注記の記載がない。
A 「3.配当政策」…毎事業年度における配当の回数についての基本的な方針、配当の決定機関等に関する記載がない。
B 「6.コーポレート・ガバナンスの状況」…定款で取締役の定数又は資格制限について定め、また取締役の選解任の決議要件について会社法と異なる別段の定めをしているが、その内容を記載していない。株主総会決議事項を取締役会で決議することができることとしているが、その事項及びその理由を記載していない。株主総会の特別決議要件を変更しているが、その内容及びその理由を記載していない等である。
また、5月15日付けで金融庁より有価証券報告書の作成・提出に際しての留意事項について追加して説明があった。
   
(2) 宝印刷株式会 社主任研究員 新保氏の説明内容
  宝印刷株式会社作成の「目で見る有価証券報告書の主なポイント」及び「有価証券報告書記載例」に基づき、主として第5【経理の状況】の留意事項について詳細な解説があった。
@ 三号様式の改正点等について
  *根拠条文の改正⇒金融商品取引法第24条第1項
  *縦覧に供する場所⇒金融商品取引所又は認可金融商品取引業協会
  *組織再編行為…⇒組織再編成行為
  *所有者別状況 証券会社⇒金融商品取引業者
  *保証会社が提出した書類 ⇒又は四半期報告書若しくは
  *経理の状況の冒頭記載 *監査報告書の根拠条文
   
A 平成20年4月1日以降適用される以下の新会計基準等について、ほとんどの3月決算会社は適用しないと思うが、早期適用している会社もあるので以下の基準に関して解説があった。
  *ソフトウェアー取引の収益の会計処理に関する実務上の取扱い
   *連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い
  *棚卸資産の評価に関する会計基準
  *関連当事者の開示に関する会計基準
  *退職給付に係る会計基準等の改正について
  *一定の特別目的会社に係る開示に関する適用指針
  *リース取引に関する会計基準
 
3. おわりに
今回、訂正報告書の提出件数の削減に向けての第二弾のセミナーであり、外部講師をお招きして会員向けに実施したのは、初めてのことであり、参加頂いた会員に、「目で見る有価証券報告書の主なポイント」、「有価証券報告書記載例」及び「ディスクロージャーニュース」を無償で配付して頂き宝印刷株式会社様にはご好意に感謝申しあげる次第であります。今後も実施時期や講師の選定等の見直しを行う必要があるものの、継続的に実施していきたいと考える。