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リレー随筆

「ポジティブに“監査法人”を見つめ直す」

 岡本 卓也

 監査法人に入所してから、早いもので丸5年が経とうとしています。みなさんの所属しておられる監査法人でも同じ状況かと思いますが、5年目くらいになると同期の何人かは、独立や他業種への転職など新しい道を選び、監査法人を辞めていきます。とりわけ私の年次は、同期が少ないため数人辞めただけでも、かなり寂しい思いがします。
  私自身はというと、幸せなことに、これまでの5年間で監査法人を辞めたいと思ったことはありません。これは、私が保守的だから、ということではなく、監査法人での仕事が気にいっているからだと思っています。実際、私は大学卒業後、一般企業(実はリレー随筆第5回を書かれた清水さんと同じ会社で、清水さんは私がすごいなぁと思っていた先輩の1人です。)に就職しましたが、仕事面ではなかなか、やり甲斐を見つけられず、会計士を目指すために退職しました。 今回、このような随筆(?)を書く機会をいただきましたので、監査法人逆風下の中、あえて「監査法人の好きなところ」について書いてみたいと思います。
 
 まず、一番目の魅力は、 自由に仕事をやらせてもらえることです。これまでも、IPO支援やJ−SOXのアドバイザリー業務など、手を挙げれば実際にやりたい仕事にアサインしてもらい、あまり縛られることなく業務を経験させてもらいました。一般企業では、業務分担を見直すことだけでも、とても大変だった記憶があります。確かに、監査法人でも最近は、ドキュメント整理に時間をとられることが多くなってきましたが(特に私の監査法人は紙中心なので・・・)、仕事の自由度という意味では、依然として魅力的な仕事だと思います。それに、仕事の内容自体も社会に役立つ仕事だと私は思っています。
 
 二番目の魅力は、 キャリアアップを支援してもらえる手段がたくさんあることです。私は、終了試験後にいろいろ自分のキャリアについて考え、今のところ、目指すは「グローバルに活躍できる会計士」、と思っています。もちろんそのためには、まずはさび付いた英語力をなんとかしなければならないのですが、私の所属する監査法人では、土曜日に缶詰め英語教育をしてくれたり、海外のサマースクールに行かせてくれたり、業務が終わってからプライベート英語レッスンを受けさせてくれたりと、いたれりつくせりです。また、将来的にはトレーニーや駐在といった道があります。これらは、大きな監査法人だからこそ、の魅力だと思っています。
 

 そして最後に、 監査法人は真っ直ぐで真面目な人の集まりだということです。最近、私の監査法人では「ワークライフバランス」への取組みが、事務所長のアクションプランに入るぐらいに重視されるようになりました。一般企業では、掛け声倒れになりかねないところですが、監査法人では、実際に上司のみなさんが、「いかにみんなに休暇をとらせるか」、とか「ノー残業デーをいかに実践するか」について頭を悩ませておられます。私自身は子どもが生まれるまでは、仕事優先だったところがありましたが、今は、周りの雰囲気にのって、家族との時間をたくさん持つために、メリハリをつけた働き方を心がけるようになりました。このようなこと一つとっても、監査法人は真面目な人の集まっている組織だと思います。
  これまで、辞めたいと思ったことはない、と書きましたが、もちろん仕事をしていて嫌な思いをしたことや、大変だったことはあります。ただ、それは、どこの会社に行っても同じことで、できるだけ状況をポジティブにとらえてやりがいを見出せるか、がポイントなのではないかと思っています。私は、幸せなことに監査法人での仕事がとてもあっているように思います。これからも、できるだけ状況をポジティブにとらえ、少しでも監査法人を良い組織にするために仕事ができれば良いと思っています。