地区会コーナー

地区会のガバナンスを問う

 河内地区会定時総会実録

河内地区会 世話人 松田 茂

 
広い会場を埋め尽くす総会出席者の緊張感を破るように、司会者がマイクスタンドに歩み寄る。 「定刻となりましたので、只今より河内地区会定時総会を始めます」この声に促され、この場に及んでまだ熟れていない想定問答が頭の中で明滅しながら、表向き悠然と演台に向う・・・
こんな緊迫した総会シーンはこの5年間終ぞ現れなかった。
 
 地区会の総会シーズンは、巷の株主総会が終わり業務が一段落する7月。しかし、会場の手配と地区会員への案内はまだ多忙を極める6月頃から始まる。1人でも多くの地区会員に来て頂くために、只只総会を開催するだけでなく何かエキシビションが必要となる。今年は地区会員のCPE単位獲得助成及び業容拡大の期待も込めて、「労働組合監査の現状と課題」をテーマにしたセミナーを打った。講師は聴講者を眠眠打破する解説の達人 山添清昭先生にお願いした。会場探しが頭を悩ます。毎年来場人数の予測がとんと立たないからだ。さらに、セミナー及び総会後の懇親会の場所選びも重要。食通の先生方を唸らすような料理屋が見つかれば動員も不要になる。出席の回答があっても安心できない。前日に欠席の電話があるのはまだ良心的な方で、当日、お気軽にお休みになる。出席されても安心できない。セミナーが終われば、そそくさと帰り支度を始める。聞けば、所長先生の代理で来たので、定時総会は関係ないとのこと。

 さて、総会雑感はこれまでとし、今年度の河内地区会総会(7月18日開催)だが、静寂の内に劇震が走った。会長、監事、3名の幹事が相次いで辞任した。文末に本定時総会終了後の新役員体制を披露するが、召集通知に役員改選の件と議案に謳ったのが蹉跌をきたした。かねがね後任会長を託そうとしていた有望な候補者全員が、みごとなリスク対応能力を発揮し欠席。私の根回し下手と言えばそれまでだが、地区会会長はそれほど魅力のないポストなのか。その気になれば会員150有余名を動かせる! 近畿会事務局の古岡さんも携帯1本でさくさく動いてくれる! 会長の名刺1枚で東大阪市や松原市の商工会議所、果ては連合大阪にも揚々と乗り込める! 年間金25万円也の御下賜金も手中に入る! 開会・閉会の挨拶は気の済むまで喋り放題! 厄介な選挙の洗礼も受けずにこのような垂涎の的たる社会的地位に未練がましく長々と居座ることは、地区会の民主的運営に悖り、地区会を私物化するものであり、公認会計士としての品格を汚す。だから叩き出される前に辞めた。鱓(ごまめ)の歯軋りと言う勿れ。傍観もされない虚空者の自虐テロと受取られても致し方ないが。

  しかし、河内地区会を投げ出すような無体なことはしない。これを以って一応の句読点は打つが、次期会長が就任されるまでは、今度の定時総会で新設した一介の「世話役」に留まり、未だ見ぬ会長の庶務を代行することにした。新たなことはしないが、これまでの流れは壊さないように会長庶務業務の代行をする。地区会の新機軸は4名の部会長に委ねたい。他の地区会では参加者が少ないので、地区会相乗りで行事を行っている例もあるが、こちらはその逆。地区会を更に細かい行政単位にまで分ける。その地区に根差した活動を行う。参加者数は問わないし動員はかけない。尤も、行事の企画・案内はきっちり地区会員全員に知らせる必要がある。多忙は行事不参加の免罪符にはならない。公認会計士の皆様は其々の立場において多忙ではあるが、多忙故、日常雑務に埋没してしまっている自己を取り戻す必要性があり、払った会費分は行事に参加し取り戻して頂かなければ企画者側も申し訳ない気分になる。もともと、近畿会の機能の一部を選挙で選ばれていない会員達(地区会執行部)に権限委譲したものであるから、屋下に屋を架すような組織体にしなくともよいのではないか。現状は地区会の予算枠が先行し、それに均衡するような地区活動をしなくては恰好がつかないと思わせる状況に追い込まれている。だから、そんな負担を背負い込む責任者になるのを敬遠する。皆さん自由に気の会った仲間と愉快なことをしたい。また、新たな朋友を求めたい。職業人としてとことん語り合いたい日もある。地区会の活動は、近畿会の部・委員会で取り上げられないような案件を市井の会員目線で掘起していくような活動であるべきだと心得ている。だから、部・委員会が十二分にその機能を発揮していれば、地場の地区会員がしゃしゃり出る幕はない。しかし、会員にとり意義ある活動と認められるプロジェクトがあるならば、一角の見識ある会員が企画した市井の会員活動を支援する予算を付ければよいのではないか。