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リレー随筆

第10回
濱田 直治

  室内犬として生きる

 
 私はペットと生活したことがない。厳格な母は「誰が面倒を見るの?」とペットを飼うことに否定的で、おかげで私はペットを飼いたいなどと考えたこともなかった。

この数年私が出入りしている取引先のおじさん方は一様に犬を飼っている。その近況を満面の笑みで語る様は徳川綱吉の生まれ変わりと見まがうばかりである。いつもは強面の部長も「うちのジャック・ラッセルテリアは老犬だが賢くて・・・」などと犬の話に余念がない。
  一方、私の上司は何十匹もの猫を飼っている。「犬は従順や。犬好きの人は征服欲が強いねん。猫は違う。何も言うことをきかん。猫を見ていると、部下をどう管理すればエエか参考になるわ」 どうやら猫の飼育をマネジメントの参考にしているようだ。
  私は「犬好きの人は征服欲が強い」という上司の見解を真に受け、あろうことか取引先の方にご教示してしまった。2匹のビーグルを家族のように大事にされているその方は苦笑した。2年ほど前の話である。  

  細君の実家には伸之介(柴犬・オス・3歳)がいる。最近知り合いになった。 一般に柴犬は屋外で飼うようだが、伸之介は室内で暮らしている。夏場はクーラーの下に陣取り、冬場はこたつに入ろうとする。寝るときは真っ暗にならないよう豆電球をつけてもらう。野性は完全に失われている。
 また、柴犬は警戒心が強く番犬に向いているそうだが、伸之介は警戒心が強い方ではない。車に乗ると、窓から顔を出して若い女性に愛嬌を振りまき黄色い声援をほしいままにしているが、年配の方に声をかけられても相手にしない。
  温室育ちのためか、お人好しなところがある。散歩中に他の犬から吼えられても相手にしない。自分より小さな犬に出くわしたときは、道を譲り、臥せの姿勢で通り過ぎるのを待つ。食べ物にがっつくこともない。

  ルックスが良いので、このリレー随筆が呼び水となり、メディアから出演の依頼があるかもしれない。お世辞とは思うが、ご近所からは「テレビに出てくるようなワンちゃんですね」と言われる。芸域は狭く、会議に出席するポーズくらいしかできないが、ソフトバンクのCMに出てくるカイくんのようにブレークして欲しい。
  伸之介の好青年ぶりを見るにつけ、犬と暮らすのも良いものだと思うようになったので、最近、先述のビーグルの飼い主の方に「犬も良いものですねぇ…」と言ったところ、「そうでしょう。征服欲があるとか無いとかそんな話じゃないですよ」と仰せになった。まだ覚えてたんだ・・・。浅見を恥じるばかりである。

 

―わんちゃんと迎える冬の心構え― ワンポイント

 一般的に、犬は「暑さよりも寒さに強い」と言われていますが、犬種や生活環境によっては寒くても平気!という犬だけではありません。これから迎える本格的な冬にむかって、わんちゃんと暮らす上での心構えを勉強しておきませんか?



温度調節に注意しましょう
 いくら犬は寒さには強いといっても、室内で飼われているわんちゃんが寒さに弱くなってきているのは事実です。暖かいお部屋から急に寒いお外に出ると、急激な気温変化に体がついていかず、体調を崩してしまう原因にもなります。お部屋の温度は適度に保ち、お外との温度差が大きくなりすぎないように気をつけましょう。

 太りすぎを避けるために!
  冬太りは動物の体のメカニズムとして起こりやすいのも事実ですが、主な原因は飼い主さんの気のゆるみや甘やかしにあるといえます。わんちゃんの適正体重を知り、それに見合った正しい食事管理を続けていれば、冬太りは避けられます。


  運動不足や筋力の低下を避けるためにも、健康な犬は冬でも毎日散歩を行いましょう。 暖かいお部屋から寒い屋外に出たときには、筋肉が強ばっていたりするので、激しい運動は体に負担がかかりがちです。同じコースをお散歩するのに、速く走っても、ゆっくり歩いてもカロリーの消費に大差はありません。冬場のお散歩は太陽が出ている暖かい時間帯を選んで、じっくりと行うことをおすすめします。
 

 極寒地では犬用のブーツを履かせることもあるようですが、普通のお散歩でアスファルトや土の上を歩く分には霜焼けなどの心配はないでしょう。ただし、短毛種のわんちゃんの場合、冷たい風にさらされた耳先や尾の先端など毛のあまり生えていない部分が霜焼けになることもありますので、温かいタオルで包み軽くマッサージをして血行をよくしてあげましょう。