報告

第235回企業財務研究会報告

監査会計委員会

平成21年1月20日(火)午前10時より、近畿財務局8階大会議室において第235回企業財務研究会が開催された。
出席者
  近畿財務局   樋口理財部次長   他10名
  近 畿 会   中務会長      他6名
  京 滋 会   長谷川会長     他4名
  兵 庫 会   中津会長      他3名
テーマ 「四半期報告書の事例分析」
発表者  
白井 弘  監査会計委員会委員長
伊東昌一、谷口誓一 監査会計委員会副委員長
山添清昭 監査会計委員会委員
      
1.テーマ選定の背景
(1)  平成18年6月14日に公布された「証券取引法等の一部を改正する法律」により、証券取引法が金融商品取引法に改組され、平成19年9月30日に施行されました。これにより、平成20年4月1日以降に開始する連結会計年度及び事業年度から、上場会社に対して四半期報告書の提出が義務付けられることになりました(金融商品取引法第二十四条の四の七)。報告書は開示府令第十七条の六に基づき、第四号の三の様式により四半期報告書を作成し、各期間経過後45日以内に提出することになりました。既に第一四半期及び第二四半期報告書が提出されており、現在、第三四半期報告のレビュー作業が進行しているところであります。
(2) このように四半期報告書の適用初年度であることに鑑みて、今回、発表のテーマとして四半期報告書の事例分析としました。内容としては以下の3つのサブテーマを中心にして事例分析を試みました。
 
2.訂正四半期報告書の開示分析(1)項目別の訂正件数要約表

●訂正四半期報告書の開示分析
●四半期特有の会計処理の開示分析
●第二四半期における「四半期報告書」作成上の  留意点について
 
2.訂正四半期報告書の開示分析
2008年9月〜11月14日までに提出された訂正四半期報告書件数349件(212社)のうち、訂正件数の最も多い11月(1日〜14日)分の訂正事例の内容分析を実施しました。
(1) 項目別の訂正件数要約表(前ページ図参照)
(2) 分析結果(対象:11月1日〜14日分)
  前ページ表の訂正件数の多い項目について、訂正内容の詳細な説明をしました。
 
3.四半期特有の会計処理
(1) 四半期特有の会計処理の検索に利用したソフト…NEXT有報革命(株式会社日立ハイテクノロジーズ)
(2) 四半期特有の会計処理の検索結果
  上記の検索ソフトを使用して、原価差異の繰延処理、後入先出法における売上原価修正、税金費用の各々について検索を実施し、その内容について代表的なケースを選定し、説明をしました。

4.第2四半期における「四半期報告書」作成上の留意点について
  第2四半期における「四半期報告書」の作成上の留意点について、以下の3点について、説明しました。
(1)  平成20年9月末の@第2四半期提出用の「四半期報告書」の作成上の留意点
(2) 第2四半期(連結)財務諸表の会計処理のポイントについて
(3) 「四半期報告書チェックリスト(平成20年9月第2四半期提出用)」
 
(1) 「四半期報告書」の作成上の留意点について(第2四半期提出用)
   第2四半期の「四半期報告書」も原則として45日以内に各財務局に提出が求められます(施行令第4条の2の10第3項)。会社は、限られた時間で「四半期報告書」を作成することになります。したがって、「四半期報告書」の全体像を把握しておくことは、重要となります。そこで、まず、第2四半期「四半期報告書」の記載項目について、説明報告しました。
   
(2) 第2四半期(連結)財務諸表の会計処理のポイントについて
  第2四半期で開示が求められている連結財務諸表の種類、四半期会計処理のポイント、四半期連結財務諸表で求められる注記事項について、それぞれ説明しました。
   
@ 開示する連結財務諸表
  第2四半期では、損益計算書については、累計情報に加えて3か月情報の開示が求められています(会計基準7)。結果的に、第2四半期では、損益計算書が、3か月情報と累計情報の2つが開示されることになり、第1四半期に比べて、決算書の情報量は、増加することになります。 銀行・保険会社等の内閣府令で定める会社を除き、連結財務諸表提出会社は、個別財務諸表を提出する必要はありません(会計基準6)。四半期報告制度は、平成20年4月1日以降開始事業年度より適用されるため、平成20年9月の第2四半期決算の連結損益計算書(3か月、累計)および連結キャッシュ・フロー計算書の前年同期分については、記載が求められていませんので注意が必要です。
   
A 四半期会計基準のポイントと留意点
   第2四半期の「四半期連結財務諸表」を作成するにあたり、第1四半期において採用した簡便な会計処理、四半期特有の会計処理を再点検するとともに、第2四半期において採用する簡便な会計処理や四半期特有の会計処理を確認する必要があります。 四半期会計基準は、実績主義を基本としており、原則的には、年度と同じ会計処理を適用して財務諸表を作成します(会計基準9,20)。しかし、45日以内に適時に開示する必要性等から、簡便な会計処理と四半期特有の会計処理を認めるとともに、財務諸表の表示や注記についても、簡便な開示を認めています。 勘定科目ごとの四半期財務諸表における簡便な会計処理、四半期特有の会計処理など、基準で示されている項目を示し、留意すべきポイントを説明しました。
   
B 四半期連結財務諸表の会計処理のポイントと留意点
  「四半期連結財務諸表の会計処理」として、簡便な会計処理を認めています。これらの連結固有の簡便的取扱いをうまく利用すれば、四半期の連結決算の作成は相当効率的に行うことが出来ることも説明しました。
   
C 四半期連結財務諸表の注記事項のチェック
  四半期連結財務諸表の注記事項は、開示の迅速性の観点から、年度の連結財務諸表よりも簡略化された内容となっています。 四半期連結財務諸表の注記事項は、「簡便的な会計処理及び四半期特有の会計処理」の注記など、年度決算では求められない四半期固有の注記事項もありますし、「第2四半期以降に会計処理を変更した場合の注記」のように第1四半期では求められない注記事項もあります。第2四半期の連結財務諸表作成において、求められる注記のうち、どれが該当するかを確認(チェック)することが重要であることも説明しました。
   
(3)「四半期報告書チェックリスト(平成20年9月第2四半期提出用)」
  「四半期報告書チェックリスト」は、金融庁より公表の「第四号の三様式」記載上の注意や財務会計基準機構より公表の「四半期報告書の作成要領(平成20年9月第2四半期提出用)を参考に留意点をまとめました。