特集
監査会計委員会主催研修会 監査提言集の解説について
 
開催日時  平成21年3月9日 13時30分〜15時30分
場  所 近畿会研修室
講  師 日本公認会計士協会 常務理事 石橋正紀氏
参 加 者 81名
 
1. はじめに
 平成20年7月に日本公認会計士協会 監査業務審査会より「監査提言集」が公表されたのを受けて、監査会計委員会としては、監査事務所及び監査業務の品質向上の役立つセミナーを企画し、監査業務審査会担当常務理事の石橋正紀氏にセミナーを開催したい旨を打診した結果、本日開催する運びとなりました。目的は、最近、虚偽表示に関する事案が複雑化、多様化している状況下で、監査提言集に記載されている事例を通じて、監査事例集で記載されている事項を十分に理解し、品質管理の向上のために監査業務を改善していくことにあります。
 
2. セミナーの内容
(1)綱紀事案処理体制及び監査の品質管理レビューの連携について
   
はじめに日本公認会計士協会における品質管理審議会及び監査業務審査会並びに綱紀審査会との関係について、当日配布された綱紀事案スキーム図を用いて、それぞれの役割と監査業務審査会の位置づけについて説明がありました。
会則第132条第3項に基づき、会長が監査業務審査会に指示しその結果を会則第139条第2項に基づき措置提案を会長に報告する役割を有しています。監査審査会の役割は、会員の監査実施状況及び監査意見の妥当性並びに会員及び準会員の倫理に関する案件について調査を行い、その結果を会員に通知し、必要と認めた場合は勧告又は指示を、また、問題があると判断し、更に深度ある調査が必生と認められる場合には、綱紀審査会への回付を会長に具申します。
委員は15名で澤田副会長及び石橋氏を含め近畿会の会員4名が委員となっており、自主規制本部の6名のテクニカルスタッフを加えた21名で構成されています。
監査審査会の対象事案は、一定の要件で抽出した個別事案について関係会員から報告を徴し、面談・質問をし、監査調書等の資料の提出を求め調査しています。その調査対象は上述したように個別案件、特定事案及び倫理事案に分けられます。
   
(2) 監査業務審査会活動報告について
   
会計・監査ジャーナル2008年10月号掲載の監査業務審査会活動報告の記事を引用しながら、平成19年8月〜平成20年7月まで(以下「対象期間」と称する)の活動内容についての報告がありました。
対象期間の個別事案の発生、処理の件数及び内容については、別表の通りであります。
(3)監査提言集の解説について
  監査業務審査会より平成20年7月1日付けで公表された「監査提言集」に掲載されている43事案のうち、近畿会の会員が関与していない事案で特に説明することが有用であると判断された事案を選定され詳細な説明があった。各事案に関しては監査提言集を参照して頂くことにし、以下、事案の大項目のみ列挙いたします。
 

3. おわりに
 今般公表された監査提言集は、最近の調査事案を踏まえ会員の監査業務遂行に際し参考となる監査提言集を取りまとめて公表されているが、本提言集は、実際の調査事案を参考にしているが、「事案の内容」及び「実施した監査対応」は、「低減」に必要な範囲で入れたものであり、必ずしも事実を記述しているものではありません。
  提言概観では調査事案の多くは、売上取引に係る監査対応の問題が最も多く、結果として粉飾に繋がるものであり財務諸表の信頼性の観点からも重要なテーマであると述べられております。 提言概観の結論ではいくつかの重要な点が述べられているが、その中で石橋常務理事が強調されていた点は以下の2点であったと思います。
  契約書等の証憑が揃っていることと取引が実在することとは必ずしも同じではない場合があるので注意が必要である。
 損失処理することと監査上のリスクが解消することとは別の問題である。

 以上

処理済案件とその結果
審査終了その1    問題なし    -------------- 13件
審査終了その2    意見付記     -------------- 6件
勧   告 ------------------------------ 31件
綱紀審査会回付 ------------------------------ 15件

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差引残(未処理案件) ------------------------------ 27件

上記処理案件に関する概要は、会計・監査ジャーナル2008年10月号にその詳細が掲載されているので、ここでは紙面の関係上、割愛させて頂きます。