編集後記

編集後記

 
 強い感染力をもつ(という)新型インフルエンザが、5月8日の成田到着の高校生に続いて16日神戸市内の高校生に国内感染し、その後数日で急拡大した。国の行動計画による対応であろうが、府県の要請のもと、5月18日から6日間学校が休校となり、公共ではマスクと咳エチケットの情宣が繰り返されてコンビニのマスクは見事に売り切れた。 新型インフルの感染拡大は、世界中の規模なのに、欧米になく日本でだけ、不思議なマスク姿が街中を埋め尽くす様(さま)となった。その後、週明けの25日からは、新型インフルは益々拡大しているにもかかわらず、一転して、マスク姿の大騒動だけが急速に終息に向かっている。何か滑稽である。そもそも、新型インフルとは何だったのだろう?毎年流行のインフルとどう違うのだろう?ワクチンが存在しないのにタミフルやリレンザが効くということをどう理解したらよいのだろう?なぜ日本人はマスクをするのだろう?これらの素直な疑問に的確に応える情報が不足しているように思える。ウイルスは不織布のマスクで遮ることができる粒子の100分の1以下なのだそうで、少なくとも米国ではウイルスを原因とするインフルエンザにマスクの効果は認めていないようだ。 インフルの主な感染経路は接触感染と飛沫感染という政府広報はどこまで信頼できるのだろうか。マスクが街を埋め尽くした滑稽さや不思議さと同時に、情報不足と集団心理の危うさも覚える今日この頃である。

(会報部 上田耕治)