特集

第43回日本公認会計士協会定期総会レポート

近畿会副会長 小山 謙司

【はじめに】
 平成21年7月8日(水)曇り空の蒸し暑い最中、昨年と同様帝国ホテル(東京都千代田区内幸町)本館3階の富士の間にて日本公認会計士協会の第43回定期総会が開催されました。その内容をレポートしたいと思います。なお、文中意見に関する記載は私見であり、また私の聞き漏れ、聞き間違い等により正確性に欠ける記述があるかもしれませんが、素人記者ということでご容赦下さい。なお、公式の総会報告については後日JICPAニュースレターにより行われますので、そちらをご参照頂きますと幸甚であります。
  総会の式次第は次の通りです。
 大村廣常務理事、勝野成紀常務理事、山田治彦常務理事の3名の司会のもと第43回定期総会が、午後1時より開催されました。
【ご来賓入場】
 まずご来賓である谷本龍哉内閣府副大臣、内藤純一金融庁総務企画局長、岳野万里夫金融庁総務企画局審議官、三井秀範金融庁総務企画局企業開示課長、土本一郎金融庁総務企画局開示業務参事官、斉藤惇株式会社東京証券取引所グループ取締役兼代表執行役社長の入場がありました。

【開会の辞、会長挨拶】
 山崎彰三副会長の「開会の辞」に引き続き、午後1時6分頃から増田宏一会長の挨拶が始まりました。まず来賓の方のご臨席及び会員、準会員の出席への御礼に続いて、次のようなコメントがありました。
 昨年後半サブプライムローンに端を発した米国金融危機が顕在化し、瞬く間に世界中に広がった信用不安の連鎖が実体経済に甚大かつ深刻な状況をもたらし、経済情勢は今なお混迷を極めております。この混迷する経済の原因を時価会計などの会計基準に求める声も聞かれるに至りました。もとより会計基準は企業等の経済活動の実態を把握するための物差しであり、投資家などに意思決定情報を提供するための財務情報に関する基準であります。関係諸機関の会計基準の運用に関する発表を受け、あたかも会計基準そのものの凍結が議論されているかの誤解が見られましたので、昨年10月には会計職業専門家集団としての協会の見解を公表し、また、会員各位にもその業務における適切な対応をお願いしたところです。
  昨年は公認会計士制度制定60周年という節目の年に当たったことから、我が国における公認会計士、公認会計士制度に対する理解を深める機会として各所で記念行事を開催しました。また、協会広報戦略の一環として協会内外の意識調査を実施しました。それらを通じ社会一般では公認会計士に対して会計監査の専門家、信頼できる職業専門家というイメージが定着しつつある一方、当の公認会計士自身の自己評価は必要以上に低く、一般には公認会計士の社会的使命が理解されていないと考えている傾向が伺われました。毎年7月6日を「公認会計士の日」と定め、制度PR等に努めてきたところです。今年の7月6日には「Justice for Fairness」(公正を求める心)を一つのスローガンに協会のウェブサイトを刷新し、また全国紙に一面広告を掲載しました。そこには内外の公認会計士に対する評価を踏まえ、会員各位が公認会計士の使命を再認識し、また次代を担う若い世代の自信と誇りを後押ししていきたいとの願いと思いを込めさせていただきました。これらと共に協会もまたその自主規制活動を見える形で社会に示し、適宜適切な意見発信を行い、側面から会員各位を支援していきたいと考えております。そうした中で先月23日には、公認会計士のインサイダー取引に対する懲戒処分の発表がありました。公認会計士の独占業務である監査業務を通じて入手した情報を基にして取引を行ったものではないとのことですが、公認会計士の品位に関わり、引いては公認会計士監査制度の信頼を揺るがす事態を招くだけに協会としても深刻に受け止めております。この場を借りて改めて会員各位に会計職業専門家としての職業倫理の自覚を強く訴えさせて頂きたいと思います。
 さて、現執行部の任期も残すところ後一年となります。この一年を通じて取り組むべき幾つかの重要な課題について申し上げます。 まず6月30日に企業会計審議会から「我が国における国際会計基準の取扱いに関する意見書(中間報告)」が公表されました。国際財務報告基準IFRSへの収斂(コンバージェンス)、あるいはその適用(アドプション)に向けた方向性として、IFRSの国際的な広がりを背景に我が国企業及び市場の競争力強化の観点から連結ベースでの任意適用を2010年3月期から容認するとの考え方が示されるなど、今後はより実務的な対応を具体的に検討していく段階となってまいりました。こうした動向を踏まえ、協会でも4月から協会内に「IFRSデスク」を設け、国内外の情報収集はもとよりIFRSに関する研修教育の企画等を行っていく体制を整えました。今後は会計基準設定主体や経済界等と共に連携を密にして適切な対応を実施していかなければなりません。
 次に公認会計士試験制度をめぐる問題への対応があります。ご高尚の通り、昨年は3,000名を超える公認会計士試験合格者が輩出されました。先月6月26日には本年度の短答式試験合格者の発表がありましたが、今年も相当数の合格者が輩出されるものと思われます。試験合格者が公認会計士となるためには業務補助等と実務補習の修了が必須条件であります。しかし、試験合格者の急増は実務補習のためのオンザジョブトレーニングとして我々の業界で引き受けられる業務補助等の収容能力の限界を超えるに至っております。今後もこうした状況が続くようであれば公認会計士試験には合格したものの公認会計士になることが出来ない合格者が多数発生することになり、引いては受験者が減少することにもなりかねません。協会は本年3月金融庁並びに公認会計士・監査審査会に試験制度の運用並びに試験制度の見直しの議論を開始するように要望書を提出しました。また行政、経済界とも協議し、企業における実務従事など試験合格者の活動領域拡大のための環境整備に取り組んで行くための協会としての行動計画を策定しているところです。
 急増する公認会計士試験合格者はいずれ協会の会員となり、公認会計士の生涯教育とも言える継続的専門研修を受講していくことになります。IFRSへの対応や地方公共団体の財務諸表作成はその実務を担う企業や地方公共団体の財務担当者と共に、その会計監査に当たる公認会計士が実務に精通していなければなりません。そうした意味からも今後の研修教育体制が重要な課題となってまいります。これらのことから協会は公認会計士のみならず企業等の財務、会計分野にかかわる人材を育成していくため、財務、会計の実務家に対する体系的な会計教育を実現する「財団法人会計教育研修機構」の創設を提唱し、7月6日に設立登記を終えました。今後の充実した会計教育研修の提供や教材開発に向け、引き続き支援していく所存です。
 4つ目の課題は平成19年の公認会計士法改正時の付帯決議である会計監査人の独立性確保のためのインセンティブのねじれの解消の実現に向けた問題であります。企業のコーポレートガバナンスの充実、強化が叫ばれる中、企業統治において株主や投資家に代わって経営を監視する役割を担う監査役、会計監査人の重要性は増してきております。こうしたことを背景に関係する諸団体との議論を重ねるととも協会としての考え方を整理し、5月に「提言」として公表するとともに6月には会社法改正の「要望書」を法務大臣に提出いたしました。引き続き要望実現に向け、関係者の理解と協力をお願いしているところであります。また、公会計の分野に関しましても昨年10月に地方公共団体の歳入歳出決算書や決算統計を巡る課題とともに、将来の統一的な会計基準整備に当たり基準の設定主体の設置を含む検討すべき論点を提言いたしました。これらについても関係諸機関にその実現に向けた理解と協力をお願いしてきております。協会は財務情報のディスクロージャーとその信頼性を確保するための制度的枠組みの見直しに対しても積極的に意見を発信してきているところであります。
 最後の重要な課題は協会そのものの改革問題です。この数年来、協会は公認会計士の自主規制団体としての機動性と戦略性を持った事業遂行型組織への転換を目指し、本部役員機構、地域会との連携強化、自主規制機能発揮のための改革を逐次実施してまいりました。本日上程させていただいている会則、規則変更議案にもこれらに関連する事項が含まれております。一昨年の臨時総会で出版局を設置し、また今般会計教育研修財団が創設されました。数次の改革を通じて協会組織、ガバナンス体制も相当整備されてきました。しかしなお、公認会計士に対する社会の期待の高まりや自主規制団体としての協会の社会的役割は増大してきております。会員数は増加し、その会員の業態は多様化してきております。こうしたことを総合的にとらえ、当年度においては拡大する協会の事業、会務を財政面から見直す所存であります。またその際には地域会の役割、財政も合わせて検討していく必要があると考えております。冒頭に申し上げましたが、社会一般の公認会計士に対するイメージは会計監査の専門家、信頼できる職業専門家として定着しつつあります。
 
 最後に会員各位のさらなる支援を要請して締めくくられました。会場から大きな拍手が起こりました。

【来賓挨拶】
   続いてご来賓の方のご挨拶を頂戴しました。午後1時20分頃であります。
 まず谷本龍哉内閣府副大臣が、かりゆしウェア姿で登壇されました。沖縄ではなく和歌山出身である旨を述べられた後、次のようなご挨拶を頂戴しました。
 金融資本市場に対する投資者の信頼を確保するためには企業財務情報の適切な開示が不可欠であり、昨今の厳しい経済情勢の下、公認会計士監査の重要性がますます高まってきていると承知しております。こうした中で日本公認会計士協会におかれましては、去る5月21日に上場会社の財務情報の信頼性向上のために上場会社のコーポレートガバナンスとディスクロージャー制度のあり方に関するご提言をなされたことは誠に時宜に叶ったものと考えております。金融庁といたしましても金融審議会、金融分科会−わが国の金融資本市場の国際化に関するスタディグループ等々におきまして報告書を取りまとめており、上場会社等のコーポレートガバナンスの強化に向けた真剣な取り組みが進められることを期待しているところであります。
 さて、国際的動向に目を転じますと、国際会計基準の利用はEUでの強制適用を始め、世界に広がっていることから企業会計審議会では国際会計基準にどう向き合っていくかについて議論を重ねてまいりました。その結果、平成22年3月期の連結財務諸表から一定の上場企業に国際会計基準の適用を認めることが適当であるといったことなどを取りまとめた「我が国における国際会計基準の取扱いに関する意見書(中間報告)」をこの6月に公表させていただきました。今後、国際会計基準の設定において、その検討の早期の段階からわが国の会計関係者が国際会計基準委員会に対して積極的に意見を発信していくことが望まれます。会計監査や企業実務に精通した公認会計士の皆さん、また、日本公認会計士協会におかれましても是非とも国内の議論をリードし、世界に発信していただくことを期待しております。
 また、国際会計基準委員会財団のガバナンスの改革も重要であります。金融庁といたしましても先般設置されましたモニタリングボード等を通じて国際会計基準の設定プロセスの監視等を行うなど適切に対処していく所存であります。さらに、金融庁として推進しておりますベターレギュレーションの一環として人材育成等の課題について日本公認会計士協会と今後とも積極的に意見交換をし、開示制度や会計監査制度の充実、監査業界の発展のために、努力をしてまいる所存であります。最後になりましたが、日本公認会計士協会及び会員各位の今後ますますのご繁栄とご発展を祈念しまして私の挨拶に代えさせていただきます。


 続いて午後1時25分頃から斉藤惇株式会社東京証券取引所グループ取締役兼代表執行役社長から次のようなご挨拶をいただきました。
 まず、上場会社のコーポレートガバナンスについてですが、一部の上場会社では経営者による株主を排除しようとする行動や既存株主の権利を著しく棄損させる行動があり、コーポレートガバナンスの基本的な概念を充分に理解していないと思われる問題が発生しております。また、このような状況に対して海外の機関投資家からのコーポレートガバナンス向上を求める声もあります。東証としましては上場会社のコーポレートガバナンス向上を今後のわが国証券市場の健全な発展のための大きなカギの一つと位置付け、8月を目途に企業行動規範の整備や既存株主の権利を著しく侵害する第三者割当、株式併合等への対応に関する上場制度の整備を実施する予定であります。
 次に、国際会計基準への適用に関しては、上場会社が発信する財務情報などの国際的な比較可能性の確保の観点から避けて通れない状況にあります。先日企業会計審議会より中間報告が公表され、国際会計基準適用への道筋が示されたと考えております。ただ、この中間報告にもありますように国際会計基準がわが国の会計基準として浸透するためには実務への対応に向けた教育訓練が充分に行われ、強制適用前に上場会社や公認会計士の方々が国際会計基準を使いこなせるようになることが非常に重要であります。さらには、投資家やアナリスト財務情報の利用者の理解を促進させるための活動も合わせて必要であります。プロフェッショナルとして公認会計士の方々の果たす役割に対する関係者の期待は非常に大きいものであります。また、監査基準についても国際監査基準とのコンバージェンス作業が積極的に進められていると聞いております。このように会計や監査を取り巻く環境が急速に変化しつつある状況を背景として現在会計及び監査実務に関する体系的な教育を実施する機構の設立を目指しておられるとのことであり、この試みが質の高い会計や監査の専門家が多数育成されることを通じ、わが国の経済社会の進展につながることを期待しております。会計や監査を取り巻く環境がより国際化、複雑化しつつある昨今においては公認会計士に対する関係者の期待とそれに伴う責任はより一層大きくなっていると思います。皆様方の今後のますますの活躍を期待したいとのお言葉で締めくくられました。
  この後、ご来賓の方はご多忙のため午後1時33分頃にはご退席されました。

【黙祷、議長・副議長の任命】
 続いて中務裕之副会長により物故会員・準会員142名への黙祷が出席者全員によってささげられました。その後、増田会長から会則第76条第1項により議長・副議長を任命したい旨の提案がありました。遠藤忠宏会員(東京会)を議長に、和田義博会員(東京会)、松山康二会員(兵庫会)をそれぞれ副議長に任命することが拍手をもって承認されました。
  その後議長、副議長3名の方が演壇に上がられ就任の挨拶をされました。
【議 事】
 午後1時40分頃、議事に入りました。
 本日の出席者数は現在集計中であり、「報告事項」の後に集計結果を報告することとされました。また、議決権の総数は21,683個であり、委任状による出席者数は、議決権を有する会員及び準会員の5分の1以上であり開会に必要な定足数を充足している旨が報告されました。さらに、会則第82条に基づき東京会会員の阿部紘武会員、佐藤孝夫会員の2名を議事録署名人としたい旨の提案があり、拍手をもって承認されました。
【報告事項】
  午後1時42分頃、会則第75条第2項に従い、木下俊夫専務理事より報告事項として「第43事業年度事業及び会務報告の件」の報告が定期総会議案書に従って行われました。項目を示すと以下の通りです。
T.事業に関する事項
  1. 監査への信頼回復のための自主規制の着実な実行に向けた対応
  @ 会員によるインサイダー取引事件への対応
  A 監査事務所の品質管理体制向上への対応
  B 継続的専門研修制度の円滑な運営
  C 懲戒処分のあり方の見直し
  2. 国際的動向を踏まえた、会計・監査環境の整備・改革に向けた対応
  @ 金融危機を巡る対応
  A 監査実務の充実に向けた対応
  B 会計・監査基準のコンバージェンス等への対応
  C 上場会社のコーポレートガバナンスとディスクロジャー制度の課題への対応 
  D 地方公共団体の公会計基準整備に向けた対応
  3. 会計プロフェッションの人材の確保と育成への対応
  @ 会計教育体制の充実に向けた対応
  A 優秀な後進の育成・確保に向けた対応
  4. 中小事務所等との連携強化への対応
  @  監査ツールの開発・公開
  A 監査ツール等の研修会
  B ウェブサイトによる有益な情報の提供
     
U.会務に関する事項
  1. 協会組織・ガバナンス改革の推進
  @ 会務執行機能のさらなる充実・強化に向けた対応
  A 事務局体制の充実・強化 2. 60周年記念事業の実施
  3. 広報活動
  4. 出版局の活動
  続いて午後1時58分頃より質疑に入りました。
  まず、事前に提出された書面による質問、意見に対して木下専務理事より説明、回答が行われました。記載ぶりに齟齬があるかもしれないので、以下では質問事項等の概要のみを示したいと思います。回答等についてはJICPAニュースレターをご参照下さい。
Q1. CPEの研修区分や分野はどのように決定されているのか。
Q2. 倫理、職業倫理の内容としてどのようなのものが含まれるのか。基本的考えを明らかにして欲しい。
Q3. 平成20年4月24日開催の全国研修会「公認会計士法の一部を改正する法律について」他が、なぜ倫理のCPE単位が付与されるのか。
  提出された書面による質問・意見及びそれらに対する回答・説明は午後2時04分頃終了しました。その後、これら以外の質問・意見陳述が会場にて行われました。
品質管理レビューが監査業務の向上につながっているのか。品質管理レビューがあるがために監査実務が形式的に流れているのではないか。監査現場疲弊の原因になっているのではないか。費用対効果も充分ではないのではないか。
増田会長が関与されていたビックカメラの不正会計について会員、社会への説明義務があるのでないか。会長を辞任する意思はありや否や。
会計制度監視機構は会計処理の公平性を確保する手段として企業会計の専門家による「会計判断調査委員会」の設置を求める提言をしたとの新聞報道があったが、協会の対応はどうするのか。
内部統制に重要な欠陥ありとした企業が56社あったとの新聞報道があったが、会計監査が充分実施されたのかどうかが問題になるのではないのか。
実務補習所の講師並びに修了考査の品質管理に問題はないのか。
  鈴木昌治常務理事、増田会長、澤田眞史副会長、木下専務理事、小宮山賢副会長、上林三子雄常務理事により回答、説明がありました。
  質疑応答は午後2時24分頃に終了しました。
 ここで出席者数についての報告が議長団より行われました。議決権の総数は21,683個、そのうち、本人出席869名、委任状による出席6,996名の合計7,865名でありました。
【審議事項】
   午後2時26分頃審議事項に入りました。
第1号議案 第43事業年度収支計算書及び財務諸表 
(一般会計・実務補習所特別会計)承 認の件
  蔵口康裕常務理事により第1号議案の説明があり、午後2時37分頃終了しました。その後、酒井繁監事より、会計監査人である優成監査法人から平成21年6月3日付けで適正意見表明があり、さらに監事意見として、会務の執行は誠実に行われており収支計算書等は適正に作成されている旨の監査報告がありました。
  続いて蔵口常務理事より事前に提出された書面による質問、意見に対する回答、説明が行われました。ここでは質問事項等のみを示しています。
Q1. 未収会費、未収金について貸倒引当金を計上していないのはなぜか。
Q2. 会員厚生自家保険引当金について計上の必要性はないのでないか。
Q3. キャッシュ・フロー計算書について計算書間で不合致が生じているが、何故か。
  午後2時50分頃書面による質問事項に対する回答が終了しました。
  その後、これ以外の質問・意見陳述等が会場より行われました。以下質問等のみを記しました。
会員厚生自家保険引当金は引当金計上の要件を満たしていないのではないか。
本部が赤字、地域会が黒字の収支構造になっているが、本部でのムダ使いはないのか。
地域会の剰余金はどうなるのか。地域会の意思で処分できるのか。
  黒田克司副会長、蔵口常務理事より説明があり、その後採決に入りました。その結果は次の通りです。
   第1号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,980個、反対は16個でありました。よって、原案通り可決されました。

  午後3時頃より第2号議案の審議に入りました。下記2つの議案を一括上程することが議長より提案され、拍手をもって了承されました。
第2-1号議案 協会組織・ガバナンス改革に係る会則 の一部変更案承認の件
第2-2号議案 協会組織・ガバナンス改革に係る役員 選出規則の一部変更案承認の件
 勝野常務理事より議案の説明が午後3時07分頃まで行われました。書面による事前質問として下記がありました。

Q1.

会長及び専務理事の2名の報酬を決めるだけなので報酬委員会ではなく、理事会で決定すればいいのではないか。
  午後3時09分頃より会場からの質問、意見陳述等があり、黒田副会長が回答されました。 以下では質問等のみを記しました。
会長選挙は推薦委員会方式ではなく、直接選挙にして欲しい。
 役員増加(85名⇒90名)については反対である。職務を厳選して不必要なものは削除してはどうか。
会長、専務理事の報酬の違い(専務理事の方が高額)について説明して欲しい。
  午後3時16分頃に決議が行われました。その結果、第2−1号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,965個、反対は31個でありました。よって、原案通り可決されました。(出席者の3分の2以上賛成あり)
   第2−2号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,967個、反対は29個でありました。よって、原案通り可決されました。
  ここで議長より休憩の動議があり、了承されました。午後3時18分頃休憩に入り、午後3時30分再開予定となりました。
  午後3時33分頃議 長により再開の宣言が行われましたが、会場内の着席状況が芳しくなく、司会者より再度アナウンスされました。また役員も全員揃っていませんでしたので議長より着席を促される一幕もありました。
  下記2つの議案を一括上程することが議長より提案され、拍手により了承されました。
第3-1号議案 懲戒処分のあり方の見直しに係る会則 の一部変更案承認の件
第3-2号議案 懲戒処分のあり方の見直しに係る綱紀 審査会規則及び上場会社監査事務所登録規則の一部変更案承認の件
  勝野常務理事より議案の説明がありました。書面による事前質問、意見はありませんでしたので午後3時46分頃より会場からの下記のような質問等に対する応答が行われました。なお、黒田副会長、増田会長から回答が行われました。
平成20年7月に金融庁により行われた三洋電機監査責任者の処分に関して協会側へは事前通知はなかったのか。
 金融庁処分に関して協会は今後どのように対応していくのか。
  午後3時52分頃採決に入りました。
  第3−1号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,957個、反対は39個でありました。よって、原案通り可決されました。(出席者の3分の2以上の賛成あり)
  第3−2号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,964個、反対は32個でありました。よって、原案通り可決されました。
午後3時55分頃第4号議案の審議に入りました。山田常務理事より説明がありました。
第4号議案  変更登録手数料の廃止等に係る会則の 一部変更案承認の件
  書面による事前質問、意見はなく、会場からの質問等もありませんでした。採決に入り、第4号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,971個、反対は25個でありました。よって、原案通り可決されました。(出席者の3分の2以上の賛成あり)
  午後4時02分頃下記3つの議案を一括上程することが議長より提案され拍手により了承されました。
第5号議案  法定監査関係書類等提出規則の一部変 更案承認の件
第6号議案 会費規則の一部変更案承認の件
第7号議案 継続的専門研修制度に関する規則の一部変更案承認の件
  山田常務理事より議案の内容が説明されました。書面による事前質問、意見はなく、会場からの質問等もありませんでした。午後4時08分頃採決に入りました。
   第5号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,975個、反対は21個でありました。よって、原案通り可決されました。
   第6号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,971個、反対は25個でありました。よって、原案通り可決されました。
  第7号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,976個、反対は20個でありました。よって、原案通り可決されました。
  午後4時10分頃下記3つの議案を一括上程することが議長より提案され拍手により了承されました。  
第8号議案  品質管理委員会規則の一部変更案承認 の件
第9号議案  上場会社監査事務所登録規則の一部変 更案承認の件
第10号議案 委員会規則の一部変更案承認の件
   大村常務理事より議案の内容が説明されました。書面による事前質問、意見はなく、会場からの質問等もありませんでした。午後4時17分頃採決に入りました。
   第8号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,967個、反対は29個でありました。よって、原案通り可決されました。
  第9号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,973個、反対は23個でありました。よって、原案通り可決されました。
  第10号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,978個、反対は18個でありました。よって、原案通り可決されました。
 
  午後4時20分頃 下記2つの議案を一括上程することが議長より提案され拍手により了承されました。  
第11号議案 第44事業年度事業計画案承認の件
第12号議案 第44事業年度収支予算案
(一般会計・実務補習所特別会計)承認の件
  木下専務理事より第11号議案の説明がありました。
  まず基本方針及び下記5つの重点施策が説明されました。
1. 激変する国際的動向を踏まえた、我が国会計制度の見直しのための提言と必要な施策の実行及び監査環境の整備・改革
2. 会計教育研修機構の創設をはじめ、会計プロフェッションとして多様、多才な人材の確保・育成
3. 困難な経済情勢の中で社会的使命を実行するための、自主規制の着実な実行と、社会へのアピール
4. 業務の多様化等の社会的ニーズに適切に対応していくための会員支援
5. 協会組織・機構改革の着実な実施とさらなる改革の推進
続いて午後4時26分頃より蔵口常務理事により第12号議案の説明がありました。
  事前質問等はありませんでしたので、午後4時36分頃より会場から下記のような質問・意見陳述等が行われ、蔵口常務理事、増田会長、黒田副会長、山崎副会長、木下専務理事が回答されました。以下では質問等を記しています。
事業活動収支予算が赤字となっているが、その理由を説明して欲しい。収支均衡が本来あるべき姿ではないか。
事業活動収支の中に寄付金収入50百万円があるが、事業活動収支の範疇に入れるのは不適切ではないか。
監査業務向上施策費支出656百万円があるが、今後も継続的にこのような支出が行われるのか。
職業倫理は役員についてより高いものが求められると思うが、例えば上場会社の監査役に就任するような場合、理事会での承認を取るなり、あるいは役員の任期中は就任しない、といったルールが必要ではないか。
国際的な活動がこの程度の予算で充分に行われるのか。
会計教育研修機構についてどの程度の予算が予定されているのか。
一般会計の当期収支差額は998百万円の赤字になっているが、今後の見通しについて見解を伺いたい。
  午後4時58分頃採決に入りました。
  第11号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,975個、反対は21個でありました。よって、原案通り可決されました。
  第12号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,971個、反対は25個でありました。よって、原案通り可決されました。
  午後4時59分頃酒井監事より第13号議案会計監査人選任の件の説明がありました。
  会則第99条第3項により「優成監査法人」を継続して会計監査人として選任したい旨の提案がありました。大規模公益法人の監査実績があり公益法人会計基準に精通していること、大規模法人を監査できる一定規模以上の監査業務の実施体制を維持していること、協会の品質管理レビューにおいても指摘事項がないこと、上場会社監査事務所名簿に登録されていること等が判断基準であるとの説明がありました。
  書面による事前質問、意見はなく、会場からの質問等もありませんでしたので、午後5時01分頃採決に入りました。
  第13号議案について、出席者の拍手により賛成多数と認められました。また、委任状による賛成は6,965個、反対は31個でありました。よって、原案通り可決されました。
  議事がすべて終了しましたので、ここで議長団が退場されました。会場から大きな拍手が起こりました。午後5時03分頃でありました。
【協会学術賞授与】
  午後5時04分頃より学術賞審査委員会の田中恒夫委員長から、「学術賞」として一ノ宮士郎氏の「QOE[利益の質]分析」、「学術賞−MCS賞」として古沢昌之氏の「グローバル人的資源管理論」が選出された旨が報告され、増田会長より表彰状及び賞品が贈呈されました。
【会員表彰】
  午後5時15分頃より会員表彰が行われました。表彰細則第2条第1項第一号(100歳以上かつ公認会計士登録の期間30年以上の会員)に基づき北陸会の山田諭氏が、また、表彰細則第2条第1項第二号から第五号に基づく会員表彰贈呈者264名を代表して、東京会の佐藤廣昭会員が増田会長より表彰状を授与されました。その後、佐藤会員より会計士補時代のお話しがあり、ご挨拶とされました。
 
【感謝状贈呈】
  午後5時23分頃より、公認会計士業界の発展・進歩に貢献できる国際的職業会計人を養成するための奨学資金として、本年5月に5千万円のご寄付を頂いた東京会の川島正夫会員に、増田会長から感謝状が贈呈されました。
【新会員章公表】 
  午後5時25分頃より、木下専務理事から松永真デザイナーによりデザインされた新会員章が公表されました。新会員章は7月8日以降着用の申し出があれば無償で交付する旨の説明がありました。
【閉会の辞】
  友永道子副会長より閉会の辞があり、総会が終了しました。午後5時30分過ぎでありました。
【最後に】
  今年の定期総会は審議事項の議案が第1号議案から第13号議案まであり、議案数だけで言うと15ありました。議案数の多さは公認会計士を取り巻く環境変化が著しく、自主規制団体である日本公認会計士協会も時代に対応して行かざるをえないからだと思います。予定時間を30分間以上も超過するロングランの総会でしたが、今回承認された議案が何年後か先に振り返ってみると我々の業界の大きな節目を示すことになっているのでは、との思いが生じました。