年頭所感

年頭所感

財務省近畿財務局 局長 森川 卓也                                                                                                                           

 
 新年明けましておめでとうございます。 日本公認会計士協会近畿会並びに会員の皆様には、日頃から近畿財務局の業務運営に関しまして、ご理解とご協力を頂きまして、厚く御礼申し上げます。

 始めに、金融をめぐる動きについて申し上げます。
  昨年9月に鳩山内閣が発足したところですが、金融行政における@金融システムの安定、A利用者の保護、利用者利便の向上、B公正・透明で活力ある市場の確立、という3つの大きな行政目的、任務に変わりは無く、金融を取り巻く環境の変化が早い中、引き続き金融行政の適切な遂行に努めていくことが重要と考えております。
  一昨年秋以降の世界的な金融・資本市場の混乱に伴い、我が国でも厳しい経済情勢が続いております。特に、中小・零細企業等については資金繰りが一段と厳しさを増しており、このような状況を改善するため、「中小企業金融円滑化法」が昨年の臨時国会で成立したところです。この法案は、

@ 金融機関に、中小企業や住宅ローンの借り手から申し込みがあった場合には、出来る限り、貸付条件の変更等の適切な措置を取るよう、努力義務を課す とともに、
A 金融機関に、そのための体制整備や整備した体制の開示及び貸付条件の変更等の実施状況の金融庁への報告を義務付ける
ものです。近畿財務局といたしましては、金融機関や中小企業に対するこの法律の積極的な周知に努めるとともに、法律や運用指針に即した検査・監督を行うこと等により、近畿における中小・零細企業等の資金繰りの改善に少しでも貢献できればと考えております。   
 
 次に、公認会計士を取り巻く環境についてお話させていただきます。
  平成18年より新試験制度を導入したことに伴い、合格者が増加してきたところでありますが、現状においては、公認会計士試験合格者の経済社会における活動領域の拡大が進んでいないとの認識の下、金融庁は昨年7月に「公認会計士試験合格者等の育成と活動領域の拡大に関する意見交換会中間とりまとめ」を公表し、経済界への活動領域の拡大を提言しております。近畿財務局といたしましても、公認会計士協会と連携を図りながら、経済界に呼びかけるなど、環境の改善の手助けをしたいと考えております。
 会計監査の現場にかかわる国際会計基準について申し上げます。モノ、カネ、サービスの国際化を背景にして、世界的に国際会計基準(IFRS)を軸に会計基準のコンバージェンスの取り組みが進む中で、国際会計基準の改定動向が日本の会計基準に間接的に、さらには直接的に影響を与えることは避けられないものとなっております。昨年の11月12日に国際会計基準審議会より、金融商品の測定区分の見直しに関する基準が決定・公表されました。ポイントは以下のとおりです。
@ 中長期的な金利収入を目的としたバンキング業務に係る国債等の債券投資は、償却原価区分の対象とする。
A 持合い株式等の戦略的投資については、評価差額、売却差額のいずれも損益には計上しない。
B 配当金については、損益に計上する。
 Bをはじめとして、国内の取引慣行、経済実態を踏まえた我が国の意見も取り入れたものとなっており、我が国関係者のご努力によるものと承知しております。
  この他、国際会計基準審議会では、貸倒引当金への予想損失モデルの導入について、現在、検討が行われております。予想損失モデルの実務上の問題点を検討するために、専門家の助言パネルを設置するとされており、我が国としてのメッセージを積極的に発信していただきたいと思います。

 今後とも、公認会計士・監査の現場を取り巻く大きな流れの中、金融庁と密接に連絡を取りつつ、日本公認会計士協会各地域会での業務説明や意見交換などを通して、会員の皆様と良好なコミュニケーションを図るとともに実情の把握に努めてまいりたいと存じます。

 最後になりましたが、新年を迎え、貴協会の一層のご発展と会員各位のご健勝、ご活躍を心よりお祈り申し上げまして、年頭のご挨拶といたします。