寄稿

年男のつぶやき

五郎川康

 半世紀前に外資系の会計事務所に入所以来、会計・監査業界にてひたすら走り続けてきたらいつの間にか50年が経過し、6回目の歳男としての新年を迎える事となりました。
  振り返れば、その中においても此処10年有余のアメリカ及び日本の会計及び監査実務を取り巻く環境変化は、それ以前の40年に比して信じられない程激烈なものでした。
  貸借対照表静態論から動態論への変化のはしりに業界に身を投じた者としては、期間損益重視の会計から、再び貸借対照表・キャッシュ・フロー重視に移行した会計の歴史は、不断に変化する経済活動をより的確に現わす必要な道具とは言え大変興味深いものです。
  その様な変化は、これからも会計基準・監査基準の国際的同調を含めて更に加速するものと思われます。
  ただ、近年SOX法に始まった内部統制の整備・運用の概念は、50年前に比べて、広範囲且つ緻密に制度化されてはいますが、基本的な概念は大きくは変わっていないものと思います。 会計事務所入所初日に手渡された Audit Manual の冒頭において、監査実施に際しては内部統制の有効度を勘案して適切な監査手続を採用すべしと明確に述べられていた事を懐かしく思い出します。
  内部統制の問題は、古くて且つ新しい会計及び監査の課題である事の証明でしょう。
  社会及び経済状況の著しい変化がそれを促進させているのでしょうが、近年に於ける公認会計士のわが国経済社会に与える影響の度合い及びそれにつれての地位向上には目覚しいものがあります。
  この潮流を変える事無く、社会が求める役割を十二分に果たす責任のある職業専門家集団として更なる発展の為、会員の皆様の一層の精進と御活躍を望むものです。