非営利法人統一会計基準特別委員会
委員募集のご案内

担当副会長 蔵口康裕
特別委員長 島田牧子
(非営利会計委員会副委員長)

 
 今般、近畿会では、重点施策の一つとして掲げられた非営利法人の会計基準の統一化についての提言を行うために、標記の特別委員会を創設しました。
 過去(平成12年)、近畿会では「非営利法人統一会計基準についての報告書」を出したことがあります。当時としては先進的なテーマを取り上げたといえる報告書で、現在でも学術研究者の間で参考文献として取り上げられているものですが、以後10年が経過し、非営利法人およびその会計をめぐる社会的状況は飛躍的に変化・発展し、今まさに大きな変化の渦中にある状況です。その現状に鑑み、非営利法人会計基準発展の今後の確かな方向性について、我々会計の職業的専門家が再び新たな提言を行っていく必要があります。
 この特別委員会の委員として、近畿会の関係委員会(非営利会計委員会、学校・CSR委員会、さらには社会公会計委員会)の委員の方はもとより、広く会員・準会員から参加して下さる方を募集いたします。
 以下の創設趣意説明をご覧になって興味を持たれた方、ぜひご参加・ご協力をお願いいたします。
 
I. 創設趣意説明
1. 非営利法人を取り巻く状況と特別委員会創設の目的について
 近年の高齢化社会の進展や社会福祉事業の充実発展に伴い、非営利法人の活動・経済規模も拡大しています。民間非営利法人(中でも、公益法人・学校法人・社会福祉法人など)は行政から多額の補助金を受けていますが、公認会計士による会計監査は学校法人及び公益法人の一部が対象となっているだけで、その他の法人については、行政側からも必要性が叫ばれているものの未だ法定義務化されていません。最近では非営利法人でも会計不正が多発しており、公認会計士による会計監査の導入は急務となっています。
 公認会計士による会計監査の法定化が進展しない要因は様々でしょうが、会計監査を実施する前提として必要な各非営利法人の会計基準の整備そのものが不十分であったり、不明確であったりすることが実務上の障壁となっています。また、最近のように非営利法人会計に企業会計の考え方を無理に導入しようとすることの弊害も指摘されているところです。
 非営利法人の会計基準の整備において、まず検討し実現を図らなければならないのが、非営利法人の形態ごと(所轄官庁ごと)に異なっている会計基準の統一です。
 この非営利法人会計基準の統一ということに関して、過去の近畿会の報告書のほか、現在では本部非営利委員会非営利会計原則専門部会で検討されていますが、そこでは個別論点における統一化の議論を行っています。しかし、そのような個別論点における統一化の議論以前に、非営利法人会計における普遍的統一的基礎概念を抽出し明らかにすることが必要で、その上で、その基礎概念に基づいた個別論点の検討を行うべきといえます。
 非営利法人会計の分野では、公認会計士は必ずしも指導的地位にないのが現状です。しかし、この分野での関係者である、所轄官庁(行政目的)、情報提供側の事業者である非営利法人、情報利用者、この三者間の利害調整役は、本来、会計の職業的専門家たる公認会計士が担うべきものであると考えられます。この非営利法人会計基準の統一化の課題については、学術的にも研究が緒に就いたところであり、この分野で公認会計士がイニシアティヴをとっていくためにも、我々がぜひ今、取り組んでいかなければならない問題といえます。
 これらのことを考慮して、非営利法人の事業性格
(=本来行政の実施するべき事業を肩代わりしているもの)に即し、非営利法人の経営の健全化と透明性の向上を実現する会計基準はどうあるべきかについて 及び、この会計基準の設定主体設置の必要性とあり方について、具体的な提案を作成し発信するため、標記の特別委員会を設置したものです。
 
2. 提言想定事項(案)の概要について
 現時点では以下のような提言事項(案)を想定しています。
 (1)非営利法人の会計基準統一化の必要性について、非営利法人における会計基準(ないし財務報告)の意義を考察しつつ明らかにし、もって統一の方向性を提示する。
 (2)統一会計基準の概念フレームワーク的なもの、即ち非営利法人会計に共通普遍の統一基礎概念を抽出し提示する。その上で、具体的な統一会計基準案を提示する(すなわち個別論点における統一化案の提示を含む)。その際、先進的な欧米等の国際的事例も研究対象にしつつ、日本における非営利法人会計基準を適切に設定する上で我が国の生活文化上の特性を考慮する。
 (3) 統一会計基準は、誰が、どの様に設定すべきかについての具体的提案を行う。
 実務に広く受容される基準(GAAP)に必要とされる「正統性」を担保する設定主体及び方策についての具体的提案を行い、会計基準統一に向けての総合的なロードマップを示すこととする。
 
3. 提言の取り扱いについて
 協会本部への意見具申を通じて、将来的に非営利法人会計基準の統一化に向けた具体的行動に繋がるよう、行政・事業者等関係者への周知説明などの働きかけを図っていくことを予定しています。
 
II. 今後の活動計画
 まずは非営利法人会計の現状と課題・統一の方向性について、近畿会関係委員会委員・協会本部委員・学術研究者等を招聘した勉強会を数回実施して研鑽を積んだのち、提言作成作業に入る予定です。また随時、行政・事業者などの関係者との意見交換会も開催しながら進める予定です。
 
III. 委員募集について
 近畿会事務局(担当:和田、メールアドレス:n-wada@jicpa-knk.ne.jp
電話:06−6271−0400)までお申し込みください。
 締め切りは、平成22年11月30日(火)とさせていただきます。
 提言の必要性や興味を感じられた方、ぜひ委員にお申し込み下さい。この分野での知識・経験は問いませんし、年齢も問いません。お申込みお待ちしております。