特集

平成22年度会務報告会 事業実施状況報告

熊木 実

 平成22年度の近畿会の各部・委員会の会務状況について、平成23年2月19日(土)の会務報告会で報告がありました。その内容について簡略にご報告いたします。
T. 近畿会会務活動報告
【総務部】
1.総会及び役員会
定時総会及び記念パーティをホテル阪急インターナショナルで6月21日に実施
定例役員会を8回開催、相談役会を1回実施
2.連絡事項
正副会長会を月2回開催
大阪証券取引所幹部との懇談会を2回実施
証券取引等監視委員会課長との懇談を実施
関西三会会長会等打合せ会、中日本地域会連合会議、本部役員との懇談を実施
日本監査役協会関西支部会との懇談、大阪弁護士会との懇談、大阪自由業団体連絡協議会と懇談
各部委員会報告を役員会にて実施
地区会会長会に出席
本部役員(近畿会)懇談会を実施
3.会員事項
新年賀詞交歓パーティを実施
公認会計士試験合格者懇親会並びに実務補習所終了試験合格者へのお祝い贈呈
会員の規律保持及び職業倫理の昂揚に関する事項を実施
会員の褒章を実施
4.事務局事項その他
事務局の効率的運営
事務局の資料・データ等の管理の徹底
労働基準法の一部改正に係る給与規程の一部改訂
三会共催のCPE研修会及び厚生事業案内のためのホームページを設定予定
【経理部】
1.予算及び決算
平成22年6月21日開催の定時総会において平成21年度の決算報告書と平成22年度の収支予算案を提出し、承認を受けた。
公益法人会計基準に基づき適切な経理処理に努めた
各部・委員会の予算執行状況について、四半期ごとに役員会に報告し、部・委員会に適切な執行を要請
本部会計監査人、近畿会幹事による監査に当たり厳粛な対応に努めており、指摘事項については対応する
平成23年度予算については、今後策定を行う
2.会費の収納
未収会費の回収に努め、長期会費未納者には督促した。そのうち免除申請があったものについては、所定の免除手続を実施
会費の自動振替奨励制度拡充に努めた(新規申込者71名)
3.出納及び物品の管理
小口現金有高の確保と会務諸払いの平準化を図るとともに、資産の適切な管理に努めた
   
【厚生部】
1.会員の福利厚生の向上及び会員相互の親睦の推進
フットサル大会、球技大会、クリスマスパーティーを開催し、若手・女性を呼び寄せた
近畿C.P.A.ゴルフ選手権を初開催
春休みファミリーツアー等を今後実施予定
2.会員等の求職求人に関する斡旋
就業多様化対応委員会開催の受験生就職説明会に参加
平成22年8月に就職説明会を開催
3.準会員会の運営に関する支援
準会員近畿地区OB会を実施
お茶摘み体験会実施地区会活動は地区会部として独立
【会報部】
1.近畿C.P.A.ニュースの発行
委員会の活動状況の内容を掲載
本部各専門部会の活動状況を掲載
公認会計士の日記念IFRSセミナー報告を掲載
地区会、厚生部報告及び準会員会の活動状況を掲載
研究大会、本部定期総会等の報告を掲載
理事会報告、投稿等の掲載
【広報・事業部】
1.外部に対する協会活動の周知
「ハロー!会計」を実施
2.外部向け研修の開催
公認会計士の日記念「IFRSセミナー」実施
「中国現地企業の税務問題」及び「移転価格税制」研修を実施予定
【研究・CPE研修部】
1.会員のCPE単位履修の促進・サポート等
4月から12月までにDVD研修を毎月実施
7月に「CPE制度について」の説明会を開催 
大阪弁護士会等との合同研修会等の企画
履修状況の悪い方には履修促進資料を提供
2.協会本部との連携
CPE協議会に出席し、CPE制度に関連する事項について協議、主要な内容は役員会で報告
3.京滋会、兵庫会との連携
関西地区三会CPE担当者会議の実施
三会共催研修会の実施
4.各部・委員会との連携
合格者のための特別研修会の開催支援予定
5.中日本五会研究大会の企画及び運営
平成23年1月23日に金沢都ホテルにおいて開催
研究大会準備委員会を7月と11月に開催
自由論題、統一論題の決定
統一論題パネリスト会議を開催
【会員業務部】

1.会員業務についての相談、研修及び推薦に関する事項

推薦依頼業務について推薦人を決定
現状把握のためのアンケート調査を実施

2.公認会計士業務の充実強化に関する事項

社外監査役に関する書籍の出版及びセミナーを実施
第三者委員会の推薦者向け研修会を実施
大阪銀行協会との提携
【地区会部】
1.地区会活動の支援
各地区定期総会への出席
地区会会長会を9月に開催
西なにわ地区会名称変更の検討

2.補習所同期会

同期会名簿の作成
世話人の募集実施

【監査会計委員会】

1. 監査の充実や信頼性向上へ対応及び国際会計基準導入に関するタイムリーな情報提供
セミナーにて実施
2.研修会の開催
監査事例研修会を年2回計画通り開催
不動産鑑定士との共同研修会を開催
3.日本監査役協会関西支部との意見交換
共同研究会の開催
4.近畿財務局との研究会及び意見交換
近畿財務局との企業財務研究会を開催
金融証券検査官との金融会計研究会を開催
証券取引等監視委員会との意見交換会実施
5.大阪証券取引所との意見交換
2回実施
【非営利会計委員会】

1.調査研究活動

「公益」認定の進行状況を報告しながら小委員会をその都度開催
社会福祉法人の新会計基準について小委員会で調査研究を実施し、書籍出版を検討
NPO法人の非財務情報についてチェックシートを公表
前年度実施した医療法人のアンケートの分析結果を検討し公表予定
2.関連他団体との協働活動
大阪府法人化公益認定担当部門との意見交換会を実施
NPO法人管掌大阪府担当部門、大阪市担当部門、堺市担当部門との意見交換会を実施
   
【社会・公会計委員会】

1.地方公共団体の財務4表導入等についての支援

新地方公会計制度、財政健全化法監査、監査委員(事務局)監査に関して情報共有化のため全体会議を実施、自治体監査制度の見直しについての意見取りまとめ資料を協会本部に提出。
実務セミナーを3月に開催予定。

2.地方公共団体包括・個別外部監査に関する調査・研究並びに情報発信

包括外部監査人協議会を11月に開催
【国際委員会】
1.他国の会計士団体との交流・意見交換
韓国、中国とも次年度に交流予定
2.国内の関係諸団体との連携
大阪弁護士会国際委員会と会合を実施し、3月にインドを対象とした共催セミナーを開催予定
3.会員向け活動
IFRS会員向けセミナーを3回実施、毎回200名以上の参加者
日本でIFRS基準の有価証券報告書を発行している外国企業の開示分析についてのセミナー、出版を予定
   
【税制税務委員会】
1.一般会員向け研修
グループ法人税制に関する研修実施

2.大阪弁護士会共同で「事業承継研究会」を開催

事業承継に関する調査研究を継続
【経営委員会】

1.「非財務情報(知的資産経営)の評価チェックリスト」

大阪府信用金庫協会、銀行協会で説明会を実施

2.事業再生関連

中小企業再生支援協議会との勉強会実施

3.バイオ関連

バイオ勉強会への参加
関西バイオビジネス研究会への参加
4.中小企業会計
IFRSとの関連で、中小企業の会計に関する指針が流動的であり、その動きを注視

【女性会計士委員会】

1.女性プロフェッショナルとしての働き方の研究・啓発

佐々木常夫氏、麓幸子氏の講演会を開催
各士業合同研修を開催

2.本の出版

「女性会計士20人 人生の中間決算書」刊行
【法務会計委員会】

1.一般会員向け研修

大阪弁護士会・業務部と共催電子債権制度についての研修会実施
2.委員会開催による研究
事業再生ADRの勉強会実施

3.大阪弁護士会との交流

【IT委員会】
1.会員業務に役立つPC研修の実施
エクセル研修、Eラーニング、未就職者対象エクセル研修実施
2.IT統制の研究・啓発
本部主催にてビデオ研修を実施

3.セキュリティ意識の啓発

近畿C.P.A.ニュースにて注意喚起記事掲載

4.協会本部との連携

本部IT委員会への出席
5.会員専用ページのニーズの収集
WEBでアンケート実施
【学校・CSR委員会】
1.研修会の開催
学校法人会計・監査セミナーを実施
CSRセミナーを実施
2.学校法人監査連絡者協議会
審査委員斡旋希望者へ審査委員応募者の斡旋を実施
【若手会計士委員会】
22年4月から常置委員会として活動
1.セミナーの実施
広島での研究大会での発表に向け検討作業を実施
2.大阪弁護士会(中堅クラス)との交流活動
会合6回、作業部会2回実施
【就業多様化対応委員会】
1.企業内会計士ネットワーク化のための活動
企業内会計士NW小委員会を3回開催
本部組織内会計士対応PTへの委員の参加
2.合格未就職者の就職支援のための活動
12月に就職説明会実施
【監査現場再生特別委員会】
6月に監査人の責任についてのシンポジウムを開催、この討議内容を公表し、2年間の活動を終了
   
非営利法人統一会計基準特別委員会】
1.非営利法人の会計基準の統一化についての提言
9月の役員会で設置承認、24年度末に提言発表に向けて活動を行う。
U. 本部会務報告
 日本公認会計士協会 山崎会長より公認会計士試験・資格制度の見直しを中心に、以下の会務報告がありました。
 
1.金融資本市場及び金融産業の活性化等のためのアクションプラン
  アクションプランに関するヒアリングに対するJICPAの主張
@ 市場の信頼性回復・活性化に向け協力。
A JICPAはIFRSの導入を支持、コンバージェンスの継続が重要。ASBJの会計基準の開発活動、ガバナンス機能強化を支援。
B 公認会計士試験合格者の急激な増加で幾多の問題が発生。
C 国際的な教育の基準との整合性を踏まえた、中長期的な観点からの試験制度見直しが必要。
D 公認会計士監査制度は、国際競争力を維持向上する必要がある。
E 財務情報を作成する企業にも、一定の会計の専門的識見を有する者が配される制度設計が必要。
F 公認会計士業界はもとより、経済界も含めた教育・育成基盤の整備が必要。
G JICPAの自主規制機能の一層の強化・充実を図る必要がある。
  この結果最終のアクションプランは下記の通りとなった(抜粋)。
   
T.企業等の規模・成長段階に応じた適切な資金供給

1.中小企業等に対するきめ細かで円滑な資金供給

(2)

中堅・中小企業の実態に応じた会計基準・内部統制報告制度等の見直し
2.新興企業等に対する適切な成長資金の供給

(1)

新興市場等の信頼性回復・活性化
3.機動的な資金供給等
(2) 開示制度・運用の見直し
(4) 四半期報告の大幅簡素化
   
U.アジアと日本とをつなぐ金融
1.アジアの主たる市場たる日本市場の実現
(3)  企業における会計実務充実のための会計専門家の活用等の促進
   「…「公認会計士制度に関する懇談会」の中間報告書を踏まえ、公認会計士試験・資格制度の見直しについて検討し、関連法案の早急な国会提出を図るほか、必要な対応を行う。」
(8) 会計基準の国際的な収れん(コンバージェンス)への対応等
2.我が国金融機関のアジア域内での活動拡大
V.国民が資産を安心して有効に活用できる環境整備
   
  この内、新興市場等の信頼性回復・活性化策の検討において、有価証券報告書等の虚偽記載の防止に向けた密度の高い情報共有が謳われているが、守秘義務の関係からどの程度のものができるか検討が必要。
   
2.東京証券取引所の対応
   平成22年12月21日に公表された公開草案「マザーズの信頼性向上及び活性化に向けた上場制度の整備等について」は以下の内容となっている。
1.市場の信頼性向上に向けた施策

(1)

財務諸表の信頼性向上のための対応
  ◎上場会社監査事務所による監査以外は受け付けない
(本則市場の新規上場申請者及び本則市場についても同様)

(2)

上場審査の実効性向上のための市場関係者との連携の強化等
  ◎新規上場申請者に関する情報の入手先の多様化
○主幹事証券会社、会計監査人及び財務局との情報共有と対応の要請
2.新規上場の活性化に向けた施策

(3)

遡及監査の実施に向けた環境整備
 
今後の市場関係者による議論を踏まえ、必要な上場制度の見直しを検討
日本公認会計士協会に対し、いわゆる遡及監査の実施に関連して必要な環境整備を要請
   
   この内、協会の品質管理レビューでの評価により、上場会社監査事務所登録が未登録となった場合監査人は交代せざるを得なくなるので対応を検討
 
3.公認会計士試験・資格制度見直しの経緯と議論のポイント

@

問題の発端
  レ平成12年前後の「第二次試験合格者増加」の要請
レ日本経済における会計リテラシーの充実
 (財務情報作成者側の能力向上)

A

平成15年の公認会計士法改正における試験制度改革とその運用
  レ監査業務の担い手としてのみならず、監査業務以外の業務の担い手として期待
  (企業等が試験合格者の少なくとも半分程度は採用するという前提)
  レ試験実施の見通しとして、平成30年頃5万人規模
 

(↓)

   ・監査業務以外の業務の担い手としての基盤未整備
 ・試験合格者(新試験合格者)の急増
 ・経済状況・雇用環境の悪化
   

B

大量の未就職者の発生
  レ公認会計士資格を取得できない者の発生
   
4.公認会計士試験・資格制度見直しの概要
   第10回公認会計士試験制度に関する懇談会においてJICPAの主張が取り入れられ、それまで公認会計士試験合格者数は2千人程度を目安としていたものが1千5百人程度から2千人程度を目安とされた。
また、資格名称は企業財務会計士となり、監査業務はできないことが明示された。この制度に対する協会のスタンスは以下の通り。
   
  (総 論)
   試験実施者には、第10回公認会計士制度に関する懇談会資料3「平成23年以降の合格者数のあり方について」の1500人から2000人程度を目安とすることの現実的な運用を強く求め、これを前提とし、今般の公認会計士試験・資格制度の見直しについて協会は、新たな資格制度の創設、試験制度の見直しの全体を通じ、理解できる方向にあると認識する。
(個別の内容についての懸念、要望)⇒今後も継続的に対応
 
@ 新たな資格制度の創設は、企業においても公認会計士試験合格者を含む会計分野の有為な人材を求めるという企業側の要望を反映したものであり、その受け入れに関し、企業側の実効性のある対応を求める。
A 企業のみならず地方公共団体等公的分野でも公認会計士試験合格者を含む会計分野の有為な人材の確保・育成が必要である。
B 平成15年の試験・資格制度改革の効果が検証されないまま現在に至っている。今次の制度の見直しについては、その数年後に検証し、必要な場合には、所要の措置を講ずることを望む。
C 「会計士」という共通語が含まれる業務範囲の異なる2つの資格名称は、誤認に基づく混乱を発生させることに懸念する。
D ほとんどの受験者は監査を担う「公認会計士」を目標に受験をしており、新たな資格制度の創設で現状の深刻な未就職者問題をすべて解決できるかどうかは、今後の制度運営次第である。
E 企業財務会計士の協会への入会にあたっては、その会員の資格について、今後さらに検討することを要望する。なお、協会の入会の形態はどのようなものであろうとも、公認会計士と同等の権利はないものと考える。
F 公認会計士・監査法人の業務範囲について、今次の改正にあたっての附帯決議をいただくことも視野に今後も継続的に要望を続ける。
   
  また、試験合格者へのJICPAの対応として以下のものが紹介された。
   ア.JICPA Career Navi の構築 (H22/11/公開)
   CPA(合格者を含む)と求人企業のマッチングサイト 
 イ.PRパンフレットの作成(事業会社、公認会計士事務所等に向け)
 ウ.企業向け採用説明会の開催(東京、名古屋、大阪で12月に開催)
 エ.実務補習所入所に係る費用の無利子貸付制度(協会準会員向け)
 オ.新人特別研修会の企画 他
   
   この後、質疑応答の時間がもたれ、試験制度改正に対して様々な意見が出されました。制度そのものに係る問題であり、関心が高く、活発かつ厳しい意見が出されましたが、会長から一つ一つ丁寧に回答がなされました。最後に会に参加された未就職者から質問があり、2年間未就職でいる不安を、悲痛な思いで吐露されました。こうした思いをさせないためにも、朝令暮改を厭わず、試験合格者の削減は急務なものと思います。