寄稿

4回目の年女

木村惠子

 
 今から12年くらい前、私は毎日しんどくて、しんどくて、こんなしんどいことが一生続くのだろうか、といやになっていた。そのことを先輩(その頃の私より2まわりくらい年上の男性)に告げると、感慨深げに「俺は、俺の人生結局こんなもんで終わるんやろか、といやになってるけどなあ」と続けた。
 今私は12年前のしんどさからは、どうやら脱出したようだが、自分のこれまでの人生のことを、少し考えるようになった。「こんなもんなんかなあ」とくだんの先輩のように考え込むときもある。
 上の子供は高3、彼は今将来のことを真剣に考えて不安と戦いながら懸命に勉強している。下の子供は高1、彼女は彼女が今いる社会の中で、自分の立ち居地が見えず、悶々と悩み苦しんでいる。その姿を見ていると、この子らと同じ努力をもう自分が出来る自信はないし、この子らが抱える将来への不安を引き受ける元気もないことに気づく。高校生のころ、私はとにかく不安だった。それに比べると、健康のこと、仕事のこと、不安はいっぱいあるけれど、まだ今の方がマシか、とも思う。
 さて・・・とあと12年後私は何を考えているのだろう。その頃子供たちはもう独立して、もしかしたら、私はすでにおばあちゃんになっているかもしれない。孫の達者なおしゃべりに悪戦苦闘しているかもしれない。うん、その頃人生がもう少し楽しくなるように、もうひとがんばりしてみよう。とりあえず、英語と中国語かな?