年頭所感

年頭所感

財務省近畿財務局
局長
 三村 亨

 
 新年明けましておめでとうございます。
 日本公認会計士協会近畿会並びに会員の皆様には、日頃より近畿財務局の業務運営に関しまして、ご理解とご協力を頂き厚く御礼申し上げます。

 昨年1年をふり返りますと、3月に発生しました東日本大震災は、我が国に極めて甚大な被害をもたらしました。震災が3月の決算期直前に発生したことから、被災された企業の監査上の問題に対処するため、日本公認会計士協会におかれましては、3月期決算に向けた会計監査上の臨時措置を定めた会長通牒を発出されるなど迅速にご対応いただいたところです。政府としても、この大震災の復旧・復興が、我が国全体の喫緊の課題であるとして、震災直後の被災地域への対応に加え、これまで三次にわたる補正予算を編成し、さまざまな支援や復旧・復興等にかかる取組みを行ってきたところです。

 また、東日本大震災は、平成20年9月の「リーマンショック」から、回復基調にあった日本経済にも大きな影響を与えました。
 関西経済については、震災により一時的に落ち込んだ生産活動はサプライチェーン復旧によりほぼ回復し、震災後一時的に低下した消費者マインドにも回復が見られるほか復興需要の波及が期待されるところですが、欧州の景気減速やタイの洪水被害の影響、円高等により企業収益の悪化が懸念されるなど依然として厳しい状況が続いています。 
 今後については、電力供給制約や海外経済の動向等が我が国経済に与える影響等について、先行きを注意深く見ていく必要があると考えています。

 さらに、公認会計士業界にとりましても、一部上場企業の長年にわたる損失隠しなど、監査の質が問われる企業不祥事が発覚し、我が国の金融資本市場における公正性・透明性を確保する上で、会計監査の専門家である公認会計士の果たすべき役割の重要性が再認識された年でもありました。

 さて、公認会計士試験合格者の活動領域の拡大についてですが、公認会計士協会、経団連、金融団体、金融庁が参加して開催された意見交換会において、平成21年に取りまとめられた各関係者がそれぞれ取り組むべき「アクションプラン」は昨年11月2日に再改訂され、各関係者がそのアクションプランに沿って積極的に取組みを進めることが合意されたところです。
 具体的には、金融庁において資格取得に必要な実務経験の要件を緩和する政令改正を行うこと、日本公認会計士協会において合格者が有期雇用又は業務委託契約により監査業務の補助に従事できるよう中小監査法人に協力を求める等の枠組みを整備されることなどが盛り込まれております。
 待機合格者が一定数存在する現状に鑑みれば、試験合格者等の育成と活動領域の拡大が進むことが重要であり、今般追加された施策により、多くの合格者が就職を果たし、資格の取得ができるようになることを期待しております。

 こういった状況の中、私どもとしましては、今後もさまざまな機会を通じ、地域の実情把握に努めるとともに、財務省・金融庁の総合出先機関としてできうる限り地域に貢献していきたいと考えております。引き続き本年も日本公認会計士協会各地域会との意見交換の場等を通じ、皆様から忌憚のないご意見を頂戴できればと存じます。また、日本公認会計士協会の皆様方におかれましても、引き続き会計プロフェッションとして更なる監査水準の向上に努め、その役割を果たしていただくことを期待しております。

 最後になりましたが、新年を迎え、貴協会の一層のご発展と会員各位のご健勝、ご活躍を心よりお祈り申し上げまして、年頭のご挨拶といたします。