特集

公益法人の移行に関する事例分析

京滋会 西川 吉典

 
1. 制度の概要
 従来の公益法人は、平成20年12月1日に新制度が全面施行され、自動的に特例民法法人に改組された。特例民法法人は平成25年11月30日までの間に公益法人又は一般法人に移行申請する必要があり、仮に移行申請を行わなかった場合、もしくは認定・認可が得られなかった場合には自動的に解散となる。
2. 申請状況
 平成20年12月1日の新制度導入後、3年が経過した平成23年11月末時点で移行申請している法人は全体の24,457法人のうち7,206法人(29%)となっている。平成22年12月1日から平成23年11月末までの直近1年間で申請した法人は5,379法人であり、このペースで申請した場合には残りの2年間で10,758法人(44%)が申請し、6,493法人(27%)の申請が未了となる見込みである。
 このペースで継続した場合には、約4分の1の法人が自動的に解散となり保有している財産が国や地方公共団体等に没収されることになるため、平成25年11月末日の申請期限前には駆け込みの申請が増加する可能性がある。
 
3. 公益法人、一般法人の認定基準
@公益法人に移行するための認定基準
定款の内容が法人法及び認定法に適合するものであること
認定法第5条各号に掲げる基準に適合するものであること
 認定法第5条各号の基準のうち、「公益目的事業比率が50%以上であると見込まれること」の判断に、実務上の困難を伴う。
A一般法人に移行するための認定基準
定款の内容が法人法に適合するものであること
公益目的財産額がある法人は、作成した公益目的支出計画が適正であり、確実に実施すると見込まれるものであること
 上記のうち、公益目的支出計画の策定に実務上の困難を伴う。
 
4. 事例分析
 認定事例と不認定事例の事例分析の結果、制度導入後の時間の経過とともに「公益性」の概念に変化が見られており、関連通達やFAQの改正など、情報のキャッチアップが重要となる。また、不認定事例についてはその詳細が答申書として公益認定等委員会のホームページに情報公開されている。

(報告:常田英貴)